虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

猫は火の精、犬は土の精

 表題のことはかねてより考えていたことですが、他のブロガーにも同じようなことを考えていた人もいるようです。そのやり取り:


iirei:私はかねがね思っているのですが、イヌは「土」の動物、ネコは「火」の動物であろうかと。
 ネコは上下に移動するのが得意、イヌは苦手。・・・このようしてすみわけしているのですね。
 それでチーズちゃんはあらたな階段が気に入ったのでしょうか?


Murana:>iireiさま
犬さんは散歩して歩くことを日課として健康を維持しますが、
ネコさんは上り下りの運動が良いらしいです。…です。
興味津々、建設中から登り降りしてました。

http://d.hatena.ne.jp/murana/20111208/1323355199より


ここに、チーズ君とは、muranaさん宅で飼われている猫ちゃんのことです。クリーム色の男の子で、チーズに擬えたようです。また、チーズ君用に、階段を作ったとのこと。最近、「つばめ」ちゃんという女の子の黒猫もメンバーに加わったようです。


私が犬の散歩をしていた際、高い木もない道路で猫と遭遇しました。この猫、どうするんだろう?と思ってみていたら、すばやく用水路の窪みに逃げて、犬を翻弄しました。ほんとに、猫は上下運動がお得意なのですね。それでもって、「炎上する火」のイメージをもって、猫は「火の精」であると思うのです。


一方、犬の場合、よく「・・・テリア」という品種を耳にしますが、この言葉は「terrier」という英語に由来し、この言葉も「terra:大地」に由来するようです。犬は大地の動物:「土の精」。


実際、犬が土から離れないというのは、犬のジャンプ力では、家の1.2mくらいの垣根は越えられないという現実があるのです。(私の知る限り、唯一例外的な犬がいますが。)猫は、塀の上に上るくらい朝飯前ですね。条件がそろえば、民家の屋根にも上れます。


先ほどの問答で言えば、muranaさんの言われるように、犬は散歩が健康維持の秘訣・・・歩く行為が大事なのですね。一方、猫は「重力」に逆らって体を上に上げるという行為が健康維持の秘訣なのですね。


これほど性質の違う犬と猫、それでも同じネコ目(旧・食肉目)に分類される動物です。
家畜としては、狼が人間に懐いて犬の祖先になったように、犬は人間にとって最初の有益な家畜となりました。


一方、猫が有益な家畜と見られるようになったのは、何と言っても、14世紀のヨーロッパで猛威を振るったペスト黒死病)を運んでくるネズミを捕食する習性があったから、ということでしょうね。そんな場合、「猫神様」という乗りの人もいたと思います。


 人間が利用できない植物には、よく「イヌ・・・」という名前がつきます。「イヌホウズキ」「イヌサンショウ」「イヌタデ」など。ネコジャラシは名前の通り、「ネコをかまう草」ですが、エノコログサという別名は「いぬころ・くさ」ととれ、この場合はイヌをかまう草ということになるでしょうね。劣るものの喩えに使っては、イヌやネコがかわいそうですね。


なお、ウィリアム・ブレイクの詩「the Tyger」という名詩には、夜の森のなか煌々と燃えるトラ(大きな猫)の有様が語られています。これも、猫が火の精であることを示唆していますね。


関連過去ログ:
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070322#1174508027


今日のひと言:私の家ではこれまで、イヌ2頭、ネコ2頭を飼ったことがありますが(飼った期間はばらばら)、どいつも純真で可愛い者達でした。

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今日の一句

不要だと
私が伐った
クサギかな


クサギは、若葉を佃煮にして食べられる香木。野生のクサギの成育圏が狭められていたので、2株苗を掘り出し庭に植えていましたが、なんとも繁殖力旺盛で、樹も際限なくそだつ、種からもたくさん発芽するので、しかたなく伐りました。樹の手前に写っているのも、苗です。佃煮は美味しいけれど、長持ちしないのです。


   (2012.09.16)