ハード・ロック(ヘビメタ)とニューウェイブの違い
大学生のころ、私はニューウェイブ(ロックの一種)に馴染み、キリング・ジョークというバンドのデビューアルバム「黒色革命」が大のお気に入りでした。そして高校時代の友人が私の下宿に来たとき、このアルバムを聴いてもらったのですが、彼が言うには「「ヘビメタ」と変わらない」。何曲聴いても、その評価は変わりませんでした。
心外であったのはともかくとして、このような評価が存在するのは興味あることでした。
それから、30年以上たって、ハード・ロックの雄「レッド・ツェッペリン」のアルバムを聴いてみたところ、キリング・ジョークの1曲「Blood sport」と曲想のよく似たツェッペリンの曲「When the levee breaks」がありました。躍動感のあるリズム進行がウリふたつだったのです。これには驚きました。
(Blood sport)キリング・ジョーク
(When the levee breaks)レッド・ツェッペリン
では、ハード・ロック(含むヘビメタ)とパンク・ニューウェイブの違いはなにか?たとえばツェッペリンはニューウェイブのレゲエのような曲も作っています。ジャンルを超えて音楽活動しているのですね。
音としての違いがないなら、どこが違うのでしょう?私は悩みましたが、レーベルの問題ではないか、と思い至りました。過去ロック界で大成功したロックバンドは、おおむね大きなレコード会社の傘下にあったのではないか、そしてマスの消費を良しという傾向があったのではないか、一方、ニューウェイブのバンドは、小さなレーベルでミニコミ的な流通を図ったのではないかと。
そのようなニューウェイブバンドの一つに「キャバレ・ボルテール」などがありますが、彼らの音は、私なら良くて現代音楽、悪く言えば「雑音」のように聴こえるのです。私も含め、一般大衆には受けないでしょうね。(まあ、そのつもりもないか。)
(Obsesson)キャバレ・ボルテール
さて、レーベルについてですが、WIKIによれば
レコードレーベル (record label) とはレコードの盤面中央部に貼付される、曲目、音楽家、レコード会社名などのクレジットが記載されたラベル紙を原義とする。転じて、レコード会社(音楽ソフトを制作・発売する会社)や、更にその中で音楽的方向性が分かれるセクション(例:エイベックス内のtrax・tuneなど)を指す。歴史のあるレーベルにはブランド的価値が発生するが、固定されたイメージ(所属アーティストが特定ジャンルに偏っている、など)がつきまとうこともある。
そのため、ブランド戦略の一環として新規レーベルが作られることもある。先述のように特定ジャンル向けにレーベルが制定され、あたかも新しいレコード会社に単一ジャンルのアーティストが多数所属しているように見せることでブランドを構築する手法がとられる。場合によっては一組のアーティストのためにレーベルを制定することもある(プライベートレーベル)。
上記の定義から、所属するミュージシャンの音楽とその音楽のジャンル、方向性、規模(メジャーかインディーズか、どれだけのお金をかけているか、など)を作品以外で端的に示す指標であるとも言える。
では、弱小バンドがレーベルに頼るか、といえば、そうでもなく、彼のビートルズも「アップル・レコード」のようなレーベルを立ち上げていますが、これは大きな例外のようです。
そのアップル・レコードについて、再びWIKIから。
@1968年にビートルズの設立した会社アップル・コアのプロジェクトの一部として設立される。
@アップル・コアの設立当初の五大プロジェクト(エレクトロニクス、映画、出版、レコード、小売業)のうち、最も成功したのがアップル・レコードである。
@この時ビートルズはアメリカではキャピトル、イギリスではパーロフォン(EMI傘下)と契約する。EMIとキャピトルは、1975年までアップル・レコードの作品を販売する事に同意。EMIはビートルズの音源の所有権を保有する一方、 アップル・コアは彼らがサインしたアーティストのすべての権利とビートルズのビデオ・クリップと映画の権利を所有する。
ビートルズは、自主レーベルと大手レコード会社による二重の恩恵を受けていたのですね。
今日のひと言:音楽による文明批評、これがニューウェイブ・バンドの目標だった気がします。そのあたりについてあまり考えないミュージシャンは特にヘビメタに多いような気がしますが、私には、背後の思想がどうあれ、音で評価するほかありませんね。
今日の2首
むかしにも
作りしアピオス
食べずいて
今頂けば
妙なる甘さ
(アピオスはマメ科の植物で、実はつけずに地下の芋で繁殖します。ラグビーボール状の形で長径5cmくらい。)
新たなる
PC壊れ
修理して
古きPC
頑張りにけり
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