虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

子供の名前の推移・・・より軽く

 明治安田生命は、長年新生児の名前の推移を調べてきましたが、昨年(2008)の女児、男児のベスト10を公表しています。それによると、
(女児)1=陽菜(ひな・はるな)
    2=結衣(ゆい)
    3=葵(あおい)
    4=さくら
    5=優奈(ゆうな、ゆな)
    6=美優(みゆ、みう)
    7=心優(みゆ、みう)
    8=莉子(りこ)
    8=美桜(みお)
    8=結菜(ゆいな、ゆな)

男児)1=大翔(ひろと)
    2=悠斗(ゆうと)
    3=陽向(ひなた、ひゅうが)
    4=翔太(しょうた)
    5=悠斗(ゆうと)
    5=颯太(そうた)
    7=悠太(ゆうた)
    7=翔(しょう、かける)
    9=蓮(れん)
   10=駿(しゅん、かける)
   10=陸(りく)

・・以上となるそうです。
参考にしたサイト:http://www.s-kougen.com/best21.htm

ここで目立つのは、女児の場合「・・子」という呼び名は影を潜め、なんだか耳あたりのよい、植物的な名前をつける親が多いようです。あるいは形容詞、および副詞などの「オノマトペ」のようなネーミング。「ゆかり」とか「みく」とか。


また、男児の場合は、鳥が飛ぶさま、馬の駆けるさまを表す漢字が多く使われます。(翔とか駿とか)また「太」という字をよく使うようです。昔からあった、「倫理的」な意味を持つ一文字の漢字・・・例えば「修」とか「忠」は使われなくなっています。



今、ここに「女の子の名前ベスト3の推移(1912〜2008)」という資料があります。
これによると、「・・子」という名前がベスト3を独占していたのは、1918年から、1963年までで、実に45年間もベスト3を独占していました。なかでももっとも使われたのは「和子」でした。そして1984年以降は「・・子」という名前はベスト3から消えました。


 思うに、「子」という字は、倫理を示す言葉とくっつけやすく、たとえば「礼子」「啓子」の「礼」とか「啓」は具体的な倫理を示すのです。
 現代の女児は、そのような倫理的な視点からより、耳さわりの良いことばを付けられて
ある意味不幸であると思います。


 参考にしたサイト:
http://kanji-fanclub.sakura.ne.jp/jinmei/kodomogirl.html
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2405.html


 男児の場合も状況は同じで、倫理的な名づけは減っているようです。名前の語尾に「キ」「タ」「ト」などの歯切れのよい語感が好まれるのです。男性の場合、一文字の倫理用語はいつから使われなくなったか「子供(男の子)の名前人気ベスト10」を読んでみると、やはり1984年あたりが分水嶺(ぶんすいれい)になると思われます。この年、ベスト10中7つが2文字以上の名前です。ちなみに「大輔」という名は1979年から1986年まで、8年間男児の名前のトップの座にありました。これは荒木大輔さん(野球のピッチャー)の影響が大きいと思われます。男子の場合に、ただ単に地形とか植物とかを名前にするとは世も変わったものです。陸(りく)、蓮(れん)など。これも、歯切れがいい語尾なのでしょうか?

参考にしたサイト:

http://kanji-fanclub.sakura.ne.jp/jinmei/kodomo.html



今日のひと言:個人的に言えば、私は(耳さわり)のよい名前より、倫理的な名前のほうが好きですね。最近の命名のしかたの流行は、「軽薄短小」のような気がするのです。なお、私の大学時代の恩師は、娘に「実子(じつこ)」という名前をつけていました。これは、実に重い命名です。

http://kanji-fanclub.sakura.ne.jp/jinmei/kodomo.html



今日のひと言:個人的に言えば、私は(耳さわり)のよい名前より、倫理的な名前のほうが好きですね。最近の命名のしかたの流行は、「軽薄短小」のような気がするのです。なお、私の大学時代の恩師は、娘に「実子(じつこ)」という名前をつけていました。これは、実に重い命名ですね。


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