虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

老子問答その7:ガーデニングについて・ヒソップについての質問


ヒソップ








 **老子は古代中国の哲学者。図書館の司書をしていたが、当時の王朝が衰微したのを感じ、西方に向かうとき、関所の役人・INKI(いんき)にリクエストされ、「老子」上下2編を著したと伝えられます。以下は老子初心者の友人とのやり取りの一節です。今回も3回シリーズ。一回置きです。


そう言えば私が関東にいたころも、たったひとつの空き地でもあれば何か建て、壊しては
何か建て、としていました。(空き地がなくなったので壊しては空き地を作り、何か
建てるといった感じね)
老子」の46章、見てみました。こういう所を読んでいても、「易経」にも貫かれ
ている、「太極」「道」の中にあっての無為の中のやすらぎのようなものを感じ
ますね。
ガーデニングはわざわざ人工的に作り出していくのですね。主婦たちの癒しの
部分とかもあるのかもしれないけど、極端な話、世話をしたけりゃ両親や子ど
もという基本的なことがあり、何かを作ったり育てたりする癒しを思うなら、作物
もあるし、自分たちの着る服だってある。そういう有用なものは作らずに、無用
なもの(ガーデニング)をお金かけて(企業にお金払って)作る。雑誌などの表
面的なものに飛びつく、そこにほんとうに考えない、気づかない浅はかさを感じ
ます。その浅はかさに気づくことが大事ですね。たしかに46章ですね。


天下に「道」が行われるとき、足の速い馬は追いやられて畑を耕すのに使われる。天下に「道」が行われないとき、軍馬が都市の城壁のそばにまで増殖する。欲望が多すぎるほど大きな罪悪はなく、満足することを知らないことほど大きな災いはなく、(他人のもちものを)ほしがることほど大きな不幸はない。ゆえに(かろうじて)足りたと思うことで満足できるものは、いつでもじゅうぶんなのである。

  小川環樹 訳注:中公文庫「老子46章」より

ほんとーに、子どものことにしても、「考えない」大人って多いんだから。子どもに
自分たちと同じ生活習慣をさせてなにも考えないとかね。夜は11時過ぎまで起き
ていて、授業中眠くなるとかね・・・。子どもとちゃんと向き合うことをしていな
い。もう何時だから明日のことを考えて寝るようにとか、明日のことを考えたらどの
ようにしたらいいと思うか、などと言えないくらい、大人が大人じゃないのね。精神
的にもやってることも。
老荘思想について説明ありがとうございました。道家道教というのは、弟子もい
ないのにそういうのはできるのですね。