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*IYC(円の危険度指数)について
05.11.29 森下 礼
日本円の暴落の程度を示す指標として導入した。定義は以下の通りである。
IYC:円以外のN種の通貨があるとき、ある通貨に対し((今回の通貨の相場)−(前回の通貨の相場))を(前回の通貨の相場)で除し、
100を掛けてパーセント表示にする。その操作をN種の通貨に施し、それらの値の平均値をIYCと呼ぶ。(やはり%表示。)
IYCは、Index of yen crisis(円の危険度指数)の略称である。ひとつひとつの通貨の関係を見ただけでは、通貨グループ全体内での円の位置づけがわからないので、複数の通貨との関係を数値化する試みである。
ここでは、簡単にモデル化して、N=1の場合について試算する。その通貨の前回の相場を100として、今回もその価値は変わらないとする。ただし、円はかならず基準であるから、例えば円が10%の暴落の場合、相手通貨の相場は100/(1−0.1)となるはずである。そして、円の暴落の程度によってIYCがどう変わるか見る。
円の価値(%) IYC(%)
100 0
99 1
90 11
80 25
70 43
60 167
50 200
20 400
10 900
1 9900
(以下、高騰の場合)
110 −9
120 −17
140 −29
150 −33
200 −50
円が高騰する場合は、IYCの反応が鈍いが、暴落する場合はかなり極端に変化することが解かる。また、20%程度以下の「円の価値」の変動は、IYCがほぼ正確にその変動を示す。(**)
(**)X%の下落の時、IYC=100*X/(100−X)と計算できるが、Xが100に較べて充分小さいときには、IYC≒Xとなるのである。
外国通貨(外貨)の情報は、http://www.tokyo-card.co.jp/i/index.html (World Currency Shop)で手がるに入手できる。
今日のひと言:ロシアでは、ソ連崩壊時、2600倍のインフレが起きた。100円の大根が26万円になった勘定だ。そんな際の備えとして外貨は重要だね。