虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「カサブランカ」:戦時下の極上ラブストーリー

以前、スーパースターの沢田研二が「カサブランカ・ダンディ」という歌を歌っていましたが、この曲のなかで、「♪ボギー、男のやせ我慢、粋に見えたよ」というフレーズが出てきますが、このボギーというのが映画「カサブランカ」の主役:ハンフリー・ボガート…

漢字の話題3つ(災・徳・争):即物的な中国人(この場合長所)

@1「災」:「災害」の「災」と言う字でも単独で「わざわい」を意味しますが、この漢字は「上の(くの字3本で)「水」を意味し、下は言わずと知れた「火」です。古代中国人は「水」と「火」で災害を代表させていたのですね。 さらに、まさかといえる漢字も…

『舟を編む』(映画):気の長〜い仕事

この映画の原作は、2012年「本屋大賞受賞作」の同名小説。「三浦しをん」さんの作品。架空の大国語辞典「大渡海:だいとかい」編纂を巡るスタッフたちの「静かな奮闘」が描かれています。総括者は加藤剛さんが演じ、定年で社を辞めるスタッフ(小林薫さ…

『女系図でみる驚きの日本史』のインパクト

この本は大塚ひかりさんが物した新潮新書の一冊で、通常男性を中心に描かれる家系図を、女性を中心に描いてみるとどんなことがいえるか、実行した記録です。10講、5補講からなる労作です。 著者の大塚さんは、中学生のころから古典に関心が高く、古典のう…

江ノ電と私:蒼い年頃の私の彷徨・砂の記憶(散文詩)

1978年、それは私が東京大学理科一類に入学した年ですが、なんとも速く理科系に関するやる気を失い、スケッチブックを片手に関東圏をスケッチ旅行で回りました。その意味では、三浦半島一帯は、良い画題に満ちていて、期末試験への出席をボイコットして…

老子はメタボか?・・・中国の理想的人物像とは。

@_@老子は、古代中国の哲学者。活躍した時代には諸説ありますし、老子が誰であったかも定かではないのです。架空の人物であるという説も根強くあります。ただ『老子』と言う書物は現代に生きる我々にとって、極めて重要な実質とメッセージを持っていると思…

この、碌でもない東京大学工学部・都市工学科:玉石あり石多し

私は、東京大学理科1類に入学したあと、文転(文科系学科への進路変え)を考えていましたが、普通の進学先である表題の学科を専門に選びました。都市工学科は当時「都市計画コース」と「衛生コース」に分かれていて、前者は当時(1980年代初頭)大変人…