虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

化学繊維によるアレルギー

 人工甘味料、化学肥料、合成洗剤などの人為的に作られた化合物が、必ずしも人体・環境に良くないように、化学繊維にも問題点があるはずです。私は化学繊維の専門家ではありませんが、問題点を挙げてみようと思います。


 化学繊維には、「合成繊維」と「再生繊維半合成繊維」の2種類があります。再生繊維は、木材から取り出したパルプ綿花水酸化ナトリウムを添加して取り出します。この化学物質は、皮膚を溶かす=タンパク質を溶かす作用を持っているので、完全にこの物質を取り除かないとアブナイですね。半合成繊維の場合は、添加物として酢酸アセトンなどを使います。これらは、衣服に残留していたら、敏感な人は肌荒れを起すと思われますね。


 一方、合成繊維は、エチレングリコールプロピレンアジピン酸アセチレンなどを原料にします。石油由来の物質ですね。 (以上、「くらしの中の知らない化学物質7 せんい製品」(くもん出版)の記述によりました。


 さて、合成繊維の作り方を一瞥しておきましょう。ソースは

http://www.finder02.com/technique/katerm/spinning-of-chemical-fiber.html


@溶融紡糸  ポリエステルナイロンの製造方法。熱可塑性(熱をかけるとドロドロになり冷えると固まる。チョコレートのような性質)のポリマー(高分子)を繊維にする際に用いられる。紡糸速度を大きく出来、生産性が高い。つまり安くできる。
高熱をかけ流動性が高くなった原料の高分子を小さな孔から圧力をかけて押し出して(ところてんの様に)、引っ張りながら冷却して糸を作る。孔の形が円だけでなく種々の形の金型があり、いわゆる異形断面のポリエステルやナイロンを作ることが出来る。


@湿式紡糸  レーヨンアクリルビニロン繊維の製造に用いられる紡出方法。
原料のポリマー(高分子)を溶剤に溶かし、ポリマー溶液を作成。そのポリマー溶液を凝固液と呼ばれる液体の中で紡出する。ポリマーを溶かしていた溶剤のみ凝固液中に拡散してポリマーが糸状になる。溶融紡糸法と比較して、製造装置も複雑で紡出速度も遅いた生産コストは高くなる。


@乾式紡糸  アセテート、アクリル、スパンデックス繊維の製造方法。その他の化学繊維を作る方法として溶融紡糸、湿式紡糸法がある。
原料となるポリマー(高分子のこと、上記繊維の材料)を揮発性(気化しやすい)の溶剤に溶かす。そのポリマー溶液を空気中で小さい孔から押し出し熱を加えて溶剤を飛ばし、糸にする。溶融紡糸に比較すると装置が複雑になり製造コストは安くない。


以上3種類の方法があるようですが、どれも化学物質を多量に使って作られるようで、使用に当たっては注意が必要なようですね。

そこで、化繊アレルギーについて書かれたブログを引用します。

衣類や寝具などに使用される化学繊維に反応する化学繊維アレルギーというものがあります。
化学繊維とは人間の手によって化学的に製造される繊維の総称で、ポリエステルやアクリル、ナイロンなどの合成繊維、アセテートなどの半合成繊維、レーヨンなどの再生繊維やガラス質の無機繊維などが含まれます。化学繊維は種類にもよりますが、安価な場合が多く、生産において天候などの自然現象に左右されないため、衣類や寝具をはじめ、自動車や建設、土木、医療などさまざまな産業界においても多く利用されています。


化学繊維アレルギーだと、綿や絹などの天然繊維の衣類を身につけたり、寝具を使用しても特に何も症状が現れないのに、化学繊維に触れた時に限り、触れた部分の皮膚が赤くなったり、ちくちくとかゆくなったり、かぶれや湿疹の症状が現れます。
化学製品には加工の段階でホルムアルデヒドなどのいろいろな薬品が使用される場合があります。それがアレルギー症状を誘発している可能性も有りますので、衣類など購入したばかりの時は一度水洗いなどしてから身に付けるようにしましょう。
化学繊維アレルギー症状を示す人は薬品などの化学製品にも反応するおそれがあります。化学繊維アレルギーの人は化学繊維が少量でも混じっていたら人体にアレルギー症状が現れる恐れがあるため綿100%の衣類などを選んで身に付ける必要が有ります。
しかし、綿100%と表示があっても縫い糸に化学繊維が混じっていると、それに反応して化学繊維アレルギーを生じる可能性は有りますので、注意が必要です。

http://www.icatgroup.com/allergy/010/post-77.php
より


今日のひと言:綿のもと、すなわち綿花は、世界一農薬を使って作られる農産物であるようで、肌に触れる衣服にはオーガニックコットン(農薬を使わないコットン)を使った製品を買うのが良いらしいですね。現代の農業のあり方から見て、中々入手しにくいでしょうが。なお、私の持っているT−シャツの一つが、着ているとむず痒く、違和感のある物です。着衣中にちょっとしたアレルギー反応が起きているのでしょうか。最近はこのシャツ、着ません。

コーヒー、カカオ、米、綿花、コショウの暗黒物語―生産者を死に追いやるグローバル経済

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フェアトレードの時代

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今日の料理・・・もやしと卵のゆかり炒め

スーパーで19円で買った「もやし」を使い、炒めものを作ってみました。ブナシメジ少々とクコの実を加えてオリーブオイルで炒め、「ゆかり」(赤紫蘇と塩を混ぜた調味料)を加え、最後に卵でとじました。安い食品の代表格であるこのもやし、「スプラウト」と言えばなんだか高級な気がするのは、単なる錯覚かと思います。「もやし」も栄養価が高い食品です。

(2013.03.01)