虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

キノコ(茸)の様々な顔:地球にとって重要な生物

キノコ(茸)の様々な顔:地球にとって重要な生物


キノコとカビはほとんど同一な生き物で、植物でもなければ動物でもありません。傘を開く形のものがキノコ、作らないのがカビです。キノコについてwikiから、

キノコ(茸、菌、蕈、Mushroom)とは、特定の菌類(Fungi)のうちで、比較的大型の(しばしば突起した)子実体(Fruiting body)あるいは、担子器果そのものをいう俗称である。またしばしば、キノコという言葉は特定の菌類の総称として扱われるが、本来は上述の通り構造物であり、菌類の分類のことではない。子実体を作らない菌類はカビである。植物とは明確に異なる。ここでいう「大型」に明確な基準はないが、肉眼で確認できる程度の大きさのものをキノコという場合が多い。食用、精神作用用にもされるが毒性を持つ種もある。語源的には、「木+の+子」と分析できる。 目に見える大きさになる子実体を持つ菌は、担子菌門 Basidiomycotaか子嚢菌門 Ascomycota に属するものが多い。日本では約300種が食用にされ、うち十数種が人為的にキノコ栽培されている。日本では既知の約2500種と2、3倍程度の未知種があるとされ、そのうちよく知られた毒キノコは約200種で、20種ほどは中毒者が多かったり死に至る猛毒がある。



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リグニン(wiki)


おおむね、このように定義できると思います。では、カビ、キノコはどのように生育するのでしょう?再びwikiから

キノコの本体(実体)は、カビと共に菌類という生物群に含まれる。菌糸と呼ばれる管状の細胞列で、体外に分泌する酵素有機物を分解吸収することで生長し、胞子を作り繁殖を繰り返す。
日本菌学会の『菌類の事典』では、子実体、あるいは担子器果がいわゆるキノコであり、有性生殖器官を作る菌糸組織構造物であり、菌などの分類群を指す名称ではないと説明される。
つまり厳密にキノコと言えばより大きい、傘状になるものを指す。しかし不正確だが、それを作る生物の種そのものを指す場合もあるということである。つまり、定義としては子実体はすべてキノコ、あるいはそれを作る生物はすべてキノコ、ということである。後者の場合、たとえば枯れ枝の表面などに張り付いていたり埋もれていたりする微小な点状のものもキノコと見なす。キノコである生物がカビに見えたり酵母状だということである。このような点状の子実体を持つものは和名も「カビ」とも呼称される例がある。



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キノコの生活環 (wiki)


大体こんなところのようです。カビ、キノコは、消化酵素を体外に出し、植物由来の有機物を溶かして、自らの栄養にして育つのですね。だから、カビ、キノコは、ほおっておいたら木の残骸で埋め尽くされるだろう森にとって、それら残骸を分解するというので、生物全体のレベルでも、極めて重要な位置にあるのです。特に、木を腐朽させるキノコは、「白色腐朽菌」と言い、シロアリだって分解できないリグニンという、木の骨格物質(フェノールを主原料とした高分子)を分解することのできる唯一の生物です。そして木から栄養分を吸い上げて、栄養たっぷりのキノコになって、人を楽しませてくれるのです。栄養価で言っても、キノコは、肉・魚に匹敵します。数年前、数学上の未解決問題(ポアンカレ予想)を解決してフィールズ賞(数学のノーベル賞)を与えられたロシアの数学者ペレルマンは、受賞を拒否して森のなかにキノコを捜しに行っちゃったとか。さすがロシア人、キノコが大好きなのですね。



今日のひと言:キノコを食べるにあたり、毒キノコと紛らわしいと思った場合は、食べないのが賢明ですね。一般的に食用キノコと毒キノコを見分けられる基準はありません。「ナスと食べれば良い」とか、「縦に裂けるキノコは食べられる」とかいうのは、全てウソです。一つ一つキノコを知っていかなければならないのです。ちなみに、野生のキノコを採取したことがありますが(山暮らしをしていた頃)、確実に同定できるキノコ2種を採取しました。一つがカラマツ林に選択的に生えるイグチタケ。ナメコのようなヌメリがあります。お浸しに。もう一つはキツネノチャブクロ。白い球形で、道端に生えます。お吸い物に。自分で栽培したのがクリタケ、アガリクス。クリタケは、榾木(ほだぎ)に円柱状のコマを打ち込み、土に植えてそだてるのですが、一年目から出てきて食べられました。3、4年食べられましたが、家族はなかなか食べようとせず、弟が4年目に食べ、父は最後まで食べませんでした。父が食べなかったのも、道理で、ニガクリタケという猛毒キノコとも近縁だと、父には教えていたので、尻込みしたのですね。アガリクスは、栽培セットごと種苗会社から買ってみました。抗ガン作用があるという触れ込みでした。


なお、キーになる物質、リグニンは、現在の洋紙の原料の木材パルプに含まれますが、日に当たると、茶色に変色していきます。これはリグニンを持つ洋紙の必然です。ところが和紙の材料になるコウゾ、ミツマタ、ガンピなどは、皮から靭皮繊維(じんぴせんい)というものを剥きとって紙にします。リグニンを含んでいないので色白で、日に当たるほど白くなると言います。


キノコ料理2品


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シイタケステーキ醤油・タラゴン風(2020.09.29)




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ナメコの大根卸し和え(2020.07.25)




きのこ立体図鑑 [全6種セット(フルコンプ)]

きのこ立体図鑑 [全6種セット(フルコンプ)]

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今日の一品


手羽中の醤油・蜂蜜焼き


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弟作。手羽中を醤油・蜂蜜の混合液に3時間漬け、オーブントースターで180度20分。焼いている途中で、チェダーチーズを乗せます。

 (2020.09.25)



@モヤシ、豚肉、コンフリー塩麹炒め


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18円で買ってきたモヤシ、豚バラ肉、コンフリーを炒め、塩麹ヒソップの葉を入れました。原価が安い料理。原価70円くらいか。豚バラ肉が最も高価。

 (2020.09.26)



@レンコンのシーチキン和え


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弟作。普通に切り、ごま油、アマニ油で炒め、いったん取り置き、フライパンにシーチキン、マヨネーズ、塩を炒め、レンコンを戻して炒め、仕上げに胡椒。

 (2020.09.29)







今日の詩


@「邂逅」:かいこう(出逢い)


父が認知症になった日。
隣県の有名な精神病院へ
父、私、弟で出掛けた。


(10年くらいまえまでは、
認知症患者も精神病院に行ったのだ。)
そこで多くの人が待ち合わせする中、


私は患者の若い女性と会話を持った。
何を話し合ったかは忘却の彼方だが
彼女:「honey」(ラルク・アン・シエル)は良い曲ね。
私:そうだね。“信じて欲しい、この世界が嘘でも”だね。
・・・というやり取りは覚えている。


私はこの短い邂逅の中で
自著「災害の芽を摘む」を
彼女にプレゼントした。


あの時、私たちはお互い「恋」していた。
再び逢えることは叶わないまま。
だって、2人が後日、その時間、そこで
逢える可能性はほぼゼロだからね。

 (2020.09.27)






今日の四句


後ろから
写真撮らるる
ヘロンかな


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ヘロン=白鷺。警戒心の強いこの鳥は撮影しにくいのです。

 (2020.09.27)



ドローンの
形態の元
ヤブガラシ


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ヤブガラシの花後の姿と、この文明の利器は似ています。

 (2020.09.28)



カラスウリ
河原を覆う
秋の覇者


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旺盛な生命力です。

 (2020.09.30)



木洩れ日に
際立つ花ぞ
曼殊沙華


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 (2020.10.02)






バンクシー小劇場


猫より小さいライオン――ゴールデンライオンタマリン


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(wiki)

 猿ですね。






写真集


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柿に絡まるカラスウリ(2020.09.30)


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名も知らぬキノコ(2020.09.30)