『豆腐百珍』と『蒟蒻百珍:こんにゃくひゃくちん』~百珍本の世界
『豆腐百珍』と『蒟蒻百珍:こんにゃくひゃくちん』~百珍本の世界
世に名高い『豆腐百珍』は、天明2年(1782年)出版された豆腐料理100種の料理本。以下の引用はwikipedia(豆腐百珍)より。
豆腐百珍では、豆腐料理を以下の6段階に分類・評価している。
@尋常品:どこの家庭でも常に料理するもの。木の芽田楽、飛竜頭など26品。
@通品:調理法が容易かつ一般に知られているもの。料理法は書くまでもないとして、品名だけが列挙されている。やっこ豆腐、焼き豆腐など10品。
@佳品:風味が尋常品にやや優れ、見た目の形のきれいな料理の類。なじみ豆腐、今出川豆腐など20品。
@奇品:ひときわ変わったもので、人の意表をついた料理。蜆もどき、玲瓏豆腐など19品。
@妙品:少し奇品に優るもの。形、味ともに備わったもの。光悦豆腐、阿漕豆腐など18品。
@絶品:さらに妙品に優るもの。ただ珍しさ、盛りつけのきれいさにとらわれることなく、ひたすら豆腐の持ち味を知り得るもの。湯やっこ、鞍馬豆腐など7品。
この本が大成功を収めたあと、蒟蒻(こんにゃく)、甘藷(サツマイモ)、鯛などでも100種の料理法を集めた本が相次ぎ発刊されました。実際どんな料理だったのでしょう?
豆腐の基本的な製法は wiki(とうふ)の記載では
豆腐(とうふ)は、大豆の搾り汁(豆乳)を凝固剤(にがり、その他)によって固めた加工食品である。東アジアと東南アジアの広範な地域で古くから食されている大豆加工食品であり、とりわけ中国本土(奥地を含む)、日本、朝鮮半島、台湾、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマー、インドネシアなどでは日常的に食されている。加工法や調理法は各国ごとに異なるが、このうち日本の豆腐は白く柔らかい食感を持つ「日本独特の食品」として発達した。
・・・となっています。一方、wiki コンニャクの製法は
通常、コンニャクと呼ばれる食品はコンニャクイモに含まれるコンニャクマンナンという多糖を糊化し、アルカリ液(通常は水酸化カルシウム水溶液が用いられる。かつては灰を水で溶いた汁を使った)を用いて凝固させたもので、ぷにぷにとした独特の食感を持つ。一旦凝固させたコンニャクは水溶性を持たず、強い弾力を示す。
アルカリによって凝固するのですね。
どちらも色々な意味で、ヘルシーな食品です。ここで、具体的に料理のレシピを取り上げ、実際に作ってみようと思います。種本は『翻刻 江戸時代料理本集成 第五巻』(吉井始子:編 臨川書店)です。
@礫(つぶて)でんがく
とうふを八分方(よほう)あつさ四五分に切ひと串に三つづつさし 雉子やき田楽の如く狐皮色に炙(やき)串ぬきて其のまま楽焼の蓋(ふた)茶碗に入れ辛子(からし)酢みそかけ罌粟(けし)ふる也
21P
これは最上級の「絶品」の一つです。2019.05.02に作ってみましたが、これは難しい。串に刺した豆腐がオーブントースターのなかで崩れて落ちます。仕方ないので網の上に乗せて焼きました。網に引っ付く、引っ付く。出来上がりはとても見てくれが悪く、失敗の部類でしょう。味はまずまず、豆腐が締まり、食感が重厚になり、それがタレと調和していたようです。へたくそな料理でしたが、絶品の片鱗は見えたようです。なお、1分=3.03mm(ミリ)。
@昆布巻
八まんごんにゃくを細長くきり昆布または荒和布(あらめ)のるいにてまき酒醤油にて煮る
320P
『蒟蒻百珍』の場合、料理に「階級差」はありません。これは2019.04.14に作ってみました。昆布から蒟蒻がはみ出しやすく、成形に苦労しました。味はまずまず。
今日のひと言:今の時代ならありふれた食材である豆腐、蒟蒻になんと真摯に取り組んでいることか、現代人も見習う点があると思います。料理を楽しんで作り食べるという姿勢が良いです。なかには終日調理に時間を費やす、という料理もあるのです。
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今日の一品
@ナスの三五八漬け
ナスを縦に半分に切り、筋状に皮を剥き、床に漬け込むこと5時間弱で取り出し、切り分けました。床は数年前から作ってあり、冷蔵庫で保存しています。塩気が強いので、カビは生えません。
この漬物についてwikiから拾ってきますと
「三五八漬け(さごはちづけ)とは福島県、山形県、秋田県の郷土料理で、麹で漬けた漬物のこと。名前の由来は漬床に塩、米麹、米をそれぞれ容量で3:5:8の割合いで使うことからである。」
(2019.06.23)
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@ベビーコーンのコチュジャン炒め
中華料理の材料の一つとして使われることが多いベビーコーン(若いトウモロコシの穂)を塩、コチュジャンで炒めました。野趣あふれる?
(2019.06.27)
今日の詩
源頼朝像↓
源頼朝の似せ絵(肖像画)は
国宝である。
なにやら描かれた衣服が
折り紙に見えたのか
色色とその衣服を折っていたのが
面白かった。頼朝が自分の体(折り紙)で
折り鶴を折ってみたり
箱を折ってみたり。
折る前のぺらぺらな折り紙で
凧を作って頼朝自身を飛ばしてみたり。
ヘタな歌に乗せて奇想天外なデフォルメ。
いやー、笑った、笑った。パクパク。
この番組はNHK・Eテレで夜
7:50-7:55放送のミニ番組。
https://www.youtube.com/watch?v=IXZaMG1NVKc
:おりがみのよりとも(短編アニメ) 作者:びじゅチューン
(2019.06.26)
今日の三句
これ、毒草です。
(2019.06.23)
大振りの
稲に見えるや
マコモタケ
マコモタケ(真菰茸)はイネ科の草で、秋に菌が寄生して幹が白く膨れます。炒めて食べると美味。
(2019.06.25)
緑色
こんなに違う
イネとネギ
(2019.06.26)