クスっと笑える重たい話:ハシェクの短編小説〜カフカとの類似性?
ブログ友のcenecioさんが言及されていた「兵士シュヴェイクの冒険」を図書館で探したところ、蔵書になかったので、同じ作者の短編集『不埒な人たち――ハシェク風刺短編集』
(飯島周:平凡社)を借りてきて読んでみました。
@劈頭の作品は「正真正銘の見世物興行」、テーマは蚤(ノミ)のサーカスに右往左往する人たちを描いています。おそらく、極大の動物である象を、極小の動物である蚤に置き換え、象に重い荷物を引かせるように、蚤にも(蚤から見れば)重い荷物を引かせることを、虫眼鏡で「鑑賞させる」興行だったわけです。まあ、ナンセンスといえばナンセンスですが、この世の人で、これに類する妄動をする人たちを著者はあざ笑っているのでしょう。
ヤロスラフ・ハシェク(Jaroslav Hašek、 IPA:[ˈjaroslaf ˈɦaʃɛk]、1883年4月30日 - 1923年1月3日)はチェコのユーモア作家、風刺作家。代表作『兵士シュヴェイクの冒険』(ある兵士が第一次世界大戦において出会う滑稽な事件の数々を描いた未完の連作短編)は、60もの言語に翻訳されている。また彼が書いた短編小説の数は約1500にも登る。彼はジャーナリスト、ボヘミアン、そして練達のジョーカーであった。彼の短い人生は、同時代のプラハ居住者、ユダヤ人作家のフランツ・カフカ(1883-1924)と奇妙な相似点を多く持つ。
(wiki より)
・・・とまあ、ハシェクの概略は以上です。
この作品集から、もう少し小説を挙げてみましょう。
@『結婚生活における男性と女性』。数学の授業中、表題の、一種のエロ本を読んでいた生徒、教諭に没収されますが、教諭は叱るどころか、「性生活」における彼の豊富な知識を開陳し、生徒を圧倒しようとします。ちょっと「叱り方」の方向性が違うのでは、と思われました。
@「不道徳なカレンダー」。悪書を取り締まる警察内部で行われているであろうやり取り。エロな出版物、カレンダーなどを不埒な市民から巻き上げ、それを「けしからん」と言いつつ、自分のコレクションにして、市民からはそれら出版物を取り上げる官憲の欺瞞を衝いた作品です。日本でも、戦前・戦後、脈々と続いた検閲のお話ともダブります。ハシェクは、若い頃、警察に睨まれる活動をしていた人だったので、警察への敵愾心は相当なものだと思われます。
@「精神医学上の鍵」。ただ橋から川を見ていた男性(フリフ)、それを自殺を図っていると勘違いした人(ビーレク)が自殺を止めに入ったのですが、フリフは、断じて自殺しようとしたのではない、といい続けます。そこにビーレクが呼んだ警察官たちもフリフの言い訳を聞かず、さらに現場にやってきた警察医に平手打ちを見舞ったフリフは最後には精神病院に入れられてしまいます。病気であるとの自覚がフリフになかったからだと。このお話も警察への不信感が色濃く出ているようです。
今日のひと言:ハシェクの作品は、どこかに毒があるようなものだと思われます。軽い毒あり、致死的な毒あり。ただ、この人の経歴をあげた前述のwiki で、カフカとの類似性があるとされていた点、私には読取れませんでした・・・
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今日の一品
@アスパラガスのマヨ・チーズ和え
弟作。茹でたグリーン・アスパラガスをマヨネーズ、チーズ、コショウ、ナツメグで和えました。食べる直前に軽くチンすると美味しいですね。
(2017.10.28)
@鶏モモ肉のニンニク・唐辛子炒め
弟作。一口大に切った肉を、オリーブオイル、ニンニク、唐辛子、塩で炒め、最後にピザソースを少々。ニンニクと唐辛子は、お互いの毒を消し合うので良い、と鍼灸師の友人が言っていました。
(2017.10.29)
@ひじき混ぜご飯
以前紹介した自然食系のレストランの昼食。ご飯にヒジキ、油揚げ、シイタケ、ニンジン、ソボロの五目飯。副食にジャガイモサラダ、3種の漬物、味噌汁付きで350円。安くて美味しい。とくに干しシイタケが良い味出しています。
(2017.11.02)
今日の詩
サクラに続いて春咲く
アメリカハナミズキ。
秋には紅葉が見ものであるが
熟して落ちる
ラグビーボール状の紅い実が美しい。
その深紅の実、
食べられるかどうかは解らない。
でも食べてみたくもある。
私の住む群馬県太田市はアメリカのバーバンク市と姉妹都市。友好のあかしにアメリカハナミズキを贈られたそうです。
(2017.10.31)
今日の一句
アマガエル
我が家の中で
雨宿り
台風22号の接近下、室内にいたので、引っ掴んで外にほおってあげました。
(2017.10.29)