横山光輝(ジャイアントロボ)VS手塚治虫(マグマ大使):ロボット物の今昔
(前口上:何分、小父さんである私が幼い頃・・・小学年低学年だったころ、かれこれ50年ほど前の作品群なので、現代のスピード感あふれるドラマやゲームを見慣れた人には、退屈かも知れません。ただ、あの頃のSFロボット物語が、現在のロボット事情をどれだけ先取りしているのか、はたまたしてないのかを思いながら今回のブログを読んでくださいませ。)
この2人のマンガ家は、いずれも優れた作品群を残していますが、ことロボットが絡むお話では、横山光輝さんのほうが優れていると思います。まず、彼らの初期の作品「鉄人28号」(横山光輝・作)と「鉄腕アトム」(手塚治虫・作)との比較です。
http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/20160205/1454620760
のコメント欄に私が書いたものを引っ張ってきますと、
手塚治虫さんは多彩と言っても言い過ぎないほどの作品群を残し、「マンガの神様」という呼称が相応しいマンガ家ですが、「鉄腕アトム」は、駄作であると思っています。それは、物事を「一面的」に捉えた作品であり、物事の表裏、陰陽を描いてはいないからです。アホなNHKはそのような事情を知ってか知らずか、なにかと言うと手塚さん=鉄腕アトムを強調するのですね。同時期に有名だった横山光輝さんの「鉄人28号」なら、リモコン一つで善にでも悪にでもなる点がストーリー上、鉄腕アトムより優れています。
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070323
補足すると、鉄腕アトムは科学技術・原子力などが、バラ色の未来を約束するように描かれています。この辺が「一面的」な捉え方なのですね。ちなみに手塚治虫さんの生没年は1928−1989、横山光輝さんのそれは1934−2004で、ほぼ同時代人だったのです。
マグマ大使とは、地球の創造主アースが、地球侵略を狙う「宇宙の帝王」ゴアとの戦いのために生んだ「ロケット人間」である。マグマ大使は、アースがマモル少年に与えた特殊な笛によって呼び出される。マモル少年たち正義の味方と、地球征服を企む宇宙の帝王ゴア、ゴアの差し向けた敵との戦いを描く。
マグマ大使について、これが生命体なのか、ロボットなのか、よく解りませんが、良心を持ち、自分で思考する点、鉄腕アトムとよく似ています。次に「ジャイアントロボ」について、これもwikiから
週刊少年サンデー版:『週刊少年サンデー』に1967年(昭和42年)5月の20号から1968年(昭和43年)3月の19号まで連載された。全3部構成。東映の渡邊亮徳の「大魔神とウルトラマンをドッキング」というコンセプトを元に、東映は『鉄人28号』の横山光輝にテレビ化前提のロボット物の原作を依頼。
横山は『鉄人』との差別化のためにリモコンがあれば誰でも動かせた『鉄人』とは違い、草間大作の命令のみで動くようにした。また徒手空拳の『鉄人』に対し、数々の兵器を搭載することでパワーアップを試みている。
ジャイアントロボも、鉄人28号とおなじく善悪の違いを峻別するコンピュータは搭載されていません。AI(人工知能)は高いのでしょうけど。
ただ、放映当時、ジャイアントロボの最終回、全身が爆弾のような高エネルギー体のラスボス(ギロチン帝王)と対峙したとき、大作が、地上に留まるように「命じた」にも関わらず、ロボはその敵を抱えて空中に飛び立つのですね。ラスボスもろとも爆発する選択肢を「自分で」選ぶのです。この結末には涙を以って受け入れる少年・少女が多かったとwikiに出てきます。これは、上官から強制された特攻とは違いますね。
両作品、同じように少年の動向が各ヒーローの活動に影響を与えるとして、何故私がジャイアントロボのほうがマグマ大使に勝るというかと言えば、まさしく、もっとも重要な局面で、ロボが初めて自己判断で、操り主の命令に背き、地球を救ったところにあるからです。ロボ最後の判断は、もはや人智を超えていたのではないか、と思います。そこへ行くと、マグマ大使の最終回はどんなものだったか、思い出せません。印象に残らなかったのです。
今日のひと言:家人が言うに、マグマ大使の2本のアンテナから、マグマ大使は「ナメクジ」。言い得て妙です。付け加えるなら、時代の趨勢を考えると、原子力で動くジャイアントロボもあくまで時代の産物です。
なお、TV番組(実写版)としての放映時期・期間は(wikiより)
1966年(昭和41年)7月4日から1967年(昭和42年)9月25日まで全64回(52話 + 再放送12話)がフジテレビ系で毎週月曜日19:30 - 20:00(39話まで)、19:00 - 19:30(40話から)に放送された。
ジャイアントロボ
放送期間:1967年(昭和42年)10月11日から1968年(昭和43年)4月1日
放送回数:全26話 (NET・東映←この記述は筆者による)

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今日の一品
@マイタケの炊き込みご飯
炊飯器にマイタケ適量、ヤマサの昆布汁も適量入れて炊飯しました。マイタケのように、人工栽培が開発されるまでは幻のキノコだったものが手軽に食べられるというのは、現代人冥利に尽きます。
(2017・05.01)
@マイタケの豚肉巻
弟作。他の料理でちょっとずつ残った豚肉とマイタケ。マイタケを豚肉で巻き、フライパンで焼きました。調味料は塩、胡椒、オレガノ。
(2017.05.03)
@カラスノエンドウの莢の炊き込みご飯
莢(さや)
出来上がり
私は庭でカラスノエンドウを育てています。若いうちには豆苗のように食べられます。莢についても、今回炊き込みご飯にしましたが、少し莢は硬かったですが、食べられました。
(2017.05.03)
@焼きハンペンの味噌ソース掛け
弟作。全形をフライパンで焼いたハンペンを切り分け、味噌+砂糖+スリごま(白ごま)を加熱したソースを掛けました。美味です。
(2017.05.04)
今日の詩
@稲妻(いなづま)
稲妻は
天に根がある。
幹が地へ伸び、
放たれる
稲妻は、
樹の枝葉だ。
――逆立ちした
樹木。
その姿を
目の当たりにすれば
恐ろしくも
美しい。
まるで、ギリシャ神話のメデューサのような物ですね。髪が蛇で、見た者は恐ろしさのあまり石に変わるという。
(2017.05.01)
今日の一句
屋内に
鯉幟(こいのぼり)舞う
皐月(さつき)かな
市役所の内部に取り付けられた鯉幟。
(2017.05.02)