現代の古代中国:北朝鮮の凄惨さ(速報)
キムジョンイルの長男:キムジョンナムが、北朝鮮から遠く離れたマレーシア・クアラルンプールで、どうも(一連のオウム真理教事件で弁護士を暗殺しようとしたけれど、未遂に終わった)最強の毒ガス・VXガスを使って暗殺されたと言います。下手人はジョンイルの3男で現在北朝鮮に君臨するキムジョンウン総書記だとされます。どうもそうらしく、兄弟同志対立の結果、弟が長男を無残にも殺害したのです。「目障り」だ、と。一方のジョンナムはジョンウンに命乞いをしていたとも聞きます。
この展開、まるで古代中国の王朝の凄惨さと比べられると思います。肉親が相搏つ修羅場は古代中国で普通に見られたものです。使う手段が現代的に毒ガスになっても、古代と変わりありません。それにしても、今時国家の実権を握るのが、なんら血統的に正統な者の出自ではないキム一族であり、それが王朝に祭り上げられるのも、世界的に珍しいです。本家の中国は、まがりなりにも裁判を経て政治犯の処遇が決まるというように、一応「法の支配」はありますが、北朝鮮の場合、キムジョンウンの「一存」で死刑・暗殺が決まってしまうほど、アナクロな国なのだと思います。
こんな3000年前の中国のような国家が、現代に存在することは、震撼すべきことです。彼らの国家としての行動規範も、現代国家には想像もつかないものです。アメリカにははるかに及ばない軍事力で、アメリカを兆発する行為は「蟷螂の斧」です。もっとも、国際関係に強かった中国並みに、もしアメリカが北朝鮮に攻撃を加えたら、中国・ロシアとの間で、最終戦争が起こり得ることを見越して、やりたい放題しているのかとも思います。
今日のひと言:それにしても、「世界の孤児」という言葉は、北朝鮮のためにあるのではないか、と思ってしまいます。民生に回すため世界各国から捧げられた食糧を、軍に回すような国であり、老子53章に、まさに現在の北朝鮮の有様を綴った記述が見つかります。:「民衆は飢えているのに、王朝はどんちゃん騒ぎで、鋭利な武器を持ち、飽食している高官。道に外れた国である。」

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