維摩詰と大乗仏教〜自然体の修行者:女性蔑視をしない人
ここに、ユニークな仏教修行者がいます。維摩詰(ゆいまきつ)、維摩居士(ゆいまこじ)・・・ヴィマラ・キールティーという人がそれで、釈迦の在家信者です。
Wikiから引いてくると
古代インド毘舎離城(ヴァイシャリー)の富豪で、釈迦の在家弟子となったという。もと前世は妙喜国に在していたが 化生して、その身を在俗に委し、大乗仏教の奥義に達したと伝えられ釈迦の教化を輔(たす)けた。無生忍という境地を得た法身の大居士といわれる。
なお、彼の名前は維摩経を中心に、大般涅槃経などでも「威徳無垢称王」などとして挙げられている。したがって北伝の大乗経典を中心として見られるもので、南伝パーリ語文献には見当たらない。これらのことから彼は架空の人物とも考えられるが、実在説もある。
彼が病気になった際には、釈迦が誰かに見舞いに行くよう勧めたが、舎利弗や目連、大迦葉などの阿羅漢の声聞衆は彼にやり込められた事があるので、誰も行こうとしない。また弥勒などの大乗の菩薩たちも同じような経験があって誰も見舞いに行かなかった。そこで釈迦の弟子である文殊菩薩が代表して、彼の方丈の居室に訪れた。
そのときの問答は有名である。たとえば、文殊が「どうしたら仏道を成ずることができるか」と問うと、維摩は「非道(貪・瞋・痴から発する仏道に背くこと)を行ぜよ」と答えた。(@@後ですこし解説、筆者注)彼の真意は「非道を行じながら、それに捉われなければ仏道に通達できるということを意味している。
在家信者なのに、釈迦の十大弟子も顔を合わせるのを嫌がるような存在。非道のエピソードには凄まじいものがあると思います。ただ、このエピソードにはカラクリがあり、初期の仏教を「小乗仏教」と規定し、「大乗仏教」を名乗った勢力がメタクソに貶す意図があったのでしょう。年代的にも数百年は離れている初期仏教の、舎利弗とか目連を維摩詰との論戦の敗北者にするのは、いかにも気の毒です。釈迦の弟子であればこそ、小乗仏教の範囲内にあってしかるべきに、維摩詰だけが大乗仏教の装いを纏っているのです。いわば弓矢で戦争している時代にライフルを持ち出すようなもの。
維摩詰の言行を語ったのが維摩経ですが、これは小乗仏教の時代にはあり得ぬフィクションかと思います。もっとも、ここに書かれているのは、なかなか面白いフィクションです。
私は今手元に「ひろさちやの維摩経講話:春秋社」という本がありますが、私が興味深く見つめるのは、仏教と女性のお話です。波旬という天魔(誘惑者)が維摩詰を惑わすために天女1万2千人を遣わしますが、維摩詰は全員を仏教徒にしてしまいます。すごい説得力ですね。
そして、この本には出てきませんが、某社会学者の本には、維摩詰は、天魔によって遣わされた女性をすべて妾にしてしまったというお話が出てきたのを覚えています。釈迦は何故か女性を嫌い、女性の成仏は難しいと言っていたと思いますが、それは釈迦が王子のころ、散々酒色に漬かっていたことを恥じてそのように言ったのかもしれません。釈迦と維摩詰が討論したら、釈迦が負けるようにも思えるのですが。
@@の注:
小乗仏教の考え方は、貪欲・瞋恚・愚痴を克服することです。貪ることなく・怒ることなく・愚かであることなく、というのが理想です。しかし、大乗仏教は、そうは考えない。そんなこと、われわれ凡人にできるわけがありません。それなら、むしろさらりと欲を持ち、さらりと怒り、おおらかに愚かさを発揮すればいいのです。あるいは、欲を持ちながら布施の心を持ち、怒りながら慈悲の心を持ち、世間的には愚か者でありながら仏教の智慧を学んでいく。それが仏道を歩むことです。
前掲書 132P−−133P
今日のひと言:せっかく読んだのに、今回文献からはさほど多く考察の材料にはしませんでした。私って、愚か??・・・まあ、維摩詰に論破されるほど、女性嫌いではありませんが。
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今日の料理
@サワラの塩麹焼き
サワラの腹に切れ目を入れ、塩麹を塗りこみ、6時間ほど置いて、焼きました。これまでサゴシ(サワラの幼魚)、ワラサ(ブリの幼魚)でやってみましたが、サワラは初めてだったみたいです。
(2014.12.19)
@ヤーコン料理2種
ヤーコンは、キク科の野菜で、根を食べます。一見サツマイモに似ていますが、あれほどの甘さはなく、梨を幾分か薄くした甘い味がします。我が家では、いちょう切りにして、流水で15分ほど晒し、料理にします。一つは、醤油+梅サワー漬けにそのまま漬け込み、もう一つはフライパンにオリーブオイルを熱し、ヤーコンを炒め、最後に塩とシナモンをいれます。後者は調理後、色が黒ずんできました。鉄分が多いのだろうと考えました。
(2014.12.19)
@豚ヒレかつとエビかつの他人丼
行きつけのスーパーで、一個60円程度で売っているヒレかつとエビかつ、3個買って丼にしました。小なべで昆布つゆを倍に薄め、ネギとシメジ(正確にはヒラタケ)を煮込んでかつ3枚を加え、卵でとじました。本日の昼食。
(2014.12.21)
@ラム肉のヌタ:ヴァリエーション
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20130915#1379241154
でラム肉のヌタについて書きましたが、今回はネギの青い部分も入れ、仕上げに生ネギを刻んだものと柚子を混ぜて味を調えました。
(2014.12.22)
今日の園芸(id:o-uiri さんへ)
例年開花させているマッソニア・ロンギベス(ヒガンバナ科)が開花しました。香りも見栄えも面白い植物です。
@11月15日(ツボミがつく)
@12月13日(ほころび始める)
@12月21日(開花)