黒田官兵衛特集 その2
戦後の日本人に大きな影響を与えた「堕落論」の著者・坂口安吾。私も学生時代、この作品を読んでみたことがありますが、「生きよ、堕ちよ」というフレーズが印象に残っています。彼の略歴をwikiでみると
坂口 安吾(さかぐち あんご、1906年(明治39年)10月20日 - 1955年(昭和30年)2月17日)は、日本の小説家、エッセイスト。本名は坂口 炳五(さかぐち へいご)。新潟県新潟市出身、東洋大学文学部印度哲学倫理学科卒業。純文学のみならず、歴史小説、推理小説、文芸から時代風俗まで広範に材を採るエッセイまで、多彩な領域にわたって活動した。終戦直後に発表した「堕落論」「白痴」などにより時代の寵児となり、無頼派と呼ばれる作家の一人、その後の多くの作家にも影響を与えた。
そうです、この「無頼派」という作家群の頭目格の人物なのですね。確か、幼稚園に通っていたころ、「型に嵌められるのは嫌だ」とばかりに園をエスケイプしたというお話が印象に残っています。(幼稚園のときだったかは確定できません、ただ、低い学齢のころ、このような行動をとったのだったと理解しています。)
ただ、彼の作品は「堕落論」しか読んだことがないので(有名な推理小説・「不連続殺人事件」も)今回中篇小説である「二流の人」を「青空文庫」からダウンロードして読んでみました。この作品は、豊臣秀吉に軍師として仕え、秀吉の天下獲りにおおいに力のあった黒田官兵衛(黒田如水)の評伝的な小説です。
読んでみて、感じたことは、坂口安吾自身は、黒田官兵衛をさして「二流の人」としているようですが、私には黒田官兵衛が何処と言って二流には見えなかったことです。天下を獲りたい豊臣秀吉とか徳川家康は、まさに天下人になりました。一方黒田官兵衛は、それを補佐する脇役の態度を取り続けたのですから、ナンバー2としての立場に甘んじることが当然だったのですね。
ただ、黒田官兵衛の場合、そこまで徹せずに、「天下が欲しい」とか「戦がやりたい」とか、分不相応な考えも持っていたことが描かれます。そのあたりが、真の天下人になった徳川家康と「比べて」邪念があると書かれているように思います。もっとも、関が原の合戦が勃発した時、官兵衛は、瞬く間に九州を制圧してしまい、その真意を家康に問われたら、「天下平定のお手伝いをしました」とかわすのですね。
そう言えば、織田信長が本能寺の変で横死した際、中国大返しをした秀吉軍の軍師として、とても際立った行為を黒田官兵衛はしています。それは、和睦した毛利軍の軍旗を何竿か譲り受け、明智光秀に「ああ、毛利まで秀吉の軍門に下るか」との絶望を与え、赤子の手をひねるように明智軍を打ち破ったのですね。いかにも見事ですが、この行為は、しかしむしろ、秀吉の警戒するところとなり、大名であるとは言え、黒田官兵衛には僅かな領地しか与えませんでした。大きな領地を与えたら、官兵衛は、日本を切り取ってしまう、との虞が秀吉にはあったようですね。
このように、「天下が欲しい」「戦がしたい」「(その有り余るほどの)奸智」などのファクターがあって、黒田官兵衛は天下人にはなりえなかったのですね。でも、彼は「天下人」の器ではないとはいえ、所与の仕事を誠実にこなしたわけですから、「二流の人」なる評価は当たらない、と思います。
今日のひと言:もしかしたら、「二流の人」とは、作者である坂口安吾が自身を自ら指して呼んでいるのかも知れないですね。もlし推理小説を書かせたら、自分より官兵衛のほうが上ではないかといった。
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今日の料理
@レンコンの梅干し・コチュジャン炒め
我が家では、レンコンを梅干しで炒めて食べるのが定番ですが、今回はそれに加え、コチュジャン(唐辛子味噌:韓国料理の基本調味料)を加えました。たまにケチャップ炒めをすることもあります。
(2014.09.17)
我が家でもっとも基本的な料理の変化球。通常はエバラ・焼肉のタレで味付けするのですが、味噌・コチュジャンを3:1位にし、合わせてナツメグと酒のジンも練り込み、タレとしました。ラム肉の矯臭には成功したようです。
(2014.09.20)
今日の四句
豪華なり
イネとカヤツリ
共生し
ここは、田に使用しない積りでイネを束にして植え付け、その脇にカヤツリソウが生えたのでしょう。この棲み分けは見事です。←反語。
(2014.09.16)
君、どこの
野原の様子
見て越しか
葉に斑のはいった大きなススキに呼びかけて。
(2014.09.17)
蛇の様
フェンスに絡まる
ルコウソウ
ルコウソウは、アサガオの仲間のツル草です。白や赤の花を咲かせる、もと園芸植物です。現在は野草化しています。
(2014.09.17)
同じツル草でも、あとから生えてくる物が優勢なのは、当然なことです。
(2014.09.17)