虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

断捨離(だんしゃり)〜「物」と「心」

この断捨離という言葉は、「やましたひでこ」さんが発案し、流行語にもなり、あまりの反響に彼女は登録商標したそうです。


一種の「掃除術」「片付け術」ではあると思うのですが、やましたさんに言わせると、それに留まるものではなく、「物」とそれを所有する人の「心」との相互関係を見直すという意図のある行動なのだそうです。


やましたさんは、学生時代、ヨガを体験し、得るものが多かったそうですが、「(執着を)断ち、(執着を)捨て、(執着を)離れる」といったヨガの考え方が、断捨離を発案したきっかけになったそうです。


私が今手にしている本は「これならできる断捨離 10のレッスン」、やました ひでこ、北林ちかこ 著・監修  北國新聞社(本体1300円)ですが、家事一般、バス、トイレ、玄関、食器、衣類、リビング、寝室、本などのテーマが取り上げられ、断捨離の基本が述べられています。


その中で、いわゆる「もったいないから取っておく」という日本人にありがちな「美徳」について、否定的な主張をしていると思えます。必要もないのに取って置かれた「物」はマイナスの波動を持ち主の「心」に与えるので、さっさと整理するのが良いとヨガの哲学に共鳴するやましたさんは主張します。


これはいかにも東洋哲学が導きだしそうな結論です。私も土台は中国哲学老子に持っていますので、このような見方には同意できます。拙著の「災害の芽を摘む」のなかで、私は、関東大震災の際、いろいろな荷物を持って本所被服廠跡地に避難した人びとが、巻き起こってきた炎の竜巻に巻き込まれ、4万人が荷物ごと犠牲になったことを述べ、以下のように結びました。


災害は、私たちが日常、どんな態度で生活しているかを、明確に写し出します。物に囲まれ得々としている人は、手痛いしっぺ返しを受けます。物が多い、とは、そのまま、破壊力を持つ敵が多い、ということだから。逆に、少ししか持たぬ(あるいは依存しない)人は、楽にかわせる。物欲は、精神修養上の妨げ、という意味で語られることが多いようですが、物理学的にも根拠があるのでは、と思います。

「災害の芽を摘む」P26


「片付けできない」と悩む女性は多いと思いますが、断捨離は一種の「修行」であり、家にいながらできる安上がりな修行なのだそうです。以下は「これならできる断捨離 10のレッスン」からの引用と私の寸評です。


@「モノに焦点が当たっている限りモノを捨てる理由は見当たりません。モノと自分の関係に焦点を当てて考察し直しましょう」  P40


モノと心の相互作用の解析が断捨離には必要であることですね。



@「着てもらえない服は、切ない思いをかかえてじーっとぶら下がっています。あなたは服から「うらめしい」という負のエネルギーを受け続けることになります。」 P91


この一節は、モノにも心があることを明解に語っているようです。そして、モノの作用が極まれば、



@「モノを主役にして、自分と家族の健康と安全を損なっている。そんな状況が日本中の家で起きています。」 P110・・・と、なるわけです。


確かに、モノに心が食い尽くされ、人同士の本音の付き合いを阻害するのでしょう。今回ブログでは、断捨離の実際にはあまり触れませんでしたが、興味ある人は本を読むか、やましたさんの公式ブログをご覧ください。なお、断捨離の過程として、「分別・分類・選択・厳選」というのがあるそうです。

http://www.yamashitahideko.com/  :やましたひでこ公式サイト



今日のひと言:片付け術の論者としては辰巳渚さんが有名ですが、立花隆氏がめちゃくちゃ酷評していたことがあるのを思いだしました。いま辰巳さんはどうしているのでしょう?



これならできる断捨離10のレッスン

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新装・増補版 「捨てる!」技術 (宝島社新書)

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今日の料理



スペアリブの味噌煮







この料理は  http://cookpad.com/recipe/2691804  にあったレシピを参考にしました。もとの料理は味噌ではなく(中国では味噌のように使われる発酵食品の)豆鼓(とうちー)を使うものでした。ここに書くのは、私のカスタマイズ。


1) 材料(400gくらい)を軽く水洗いして、30分間煮込む
2) 複合調味料(味噌大匙2、醤油大匙2、砂糖大匙1、酒少々(私がビーフイータージンをつかいました、ショウガ一片摺りおろし)とスぺアリブを、ジップロックに入れて3時間ほど味をなじませる。
3) ひたひたの水で1時間ほど煮詰める。水が鍋の底にちょっと残った程度で完成。

(わが家の場合、肉・魚はイヌにも分け与えるので、当初の分量より、人が食べる分量は少なくなっています。)

 (2014.08.11)




@きゅうりのゴマ油和え





NHK「今日の料理ビギナーズ」(8月号)に載っていたレシピをカスタマイズ。キュウリ2本を棒状に切り、塩小さじ3分の2をまぶし、10分間そのままでしんなりさせます。出てきた水を切り、ゴマ油小匙1杯、醤油少々、七味唐辛子少々、白ごま少々を混ぜます。シャキシャキ感は残り、美味です。

 (2014.08.12)




@ナスの味噌炒め






3cm角に切りそろえた豚バラ肉を七味唐辛子とオリーブオイルで炒め、(ヘタを取り、一個4、5個に乱切りした)ナスを加え、「味噌一塊、酢を大匙2杯、酒を大匙1杯」加えて調整したタレを加えて最後に胡麻をまぶし、仕上げる。これも「今日の料理ビギナーズ」からのカスタマイズです。

 (2014.08.13)




雲南百薬の和え物




これは、わが家の定番料理で、今年初のものです。

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20121120#1353406088   参照。


 (2014.08.13)





今日の二句






真っ白に
花の広がる
藺草(いぐさ)かな



藺草花
燕子花図に
比肩せり



休耕田で繁殖していた藺草の仲間らしい草、白い花が可憐で見事でした。燕子花図(かきつばたず)は、尾形光琳の作品(国宝)です。

 (2014.08.14)