虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

人情と真実〜ある大たわけ(散文詩)

私が東京大学都市工学科を卒業し、1年、研究生をやっていた頃(この頃は、中学生対象の講習会・東大学力増進会の国語科講師と、併せて自然食の八百屋でアルバイトをしていたのですが)、私がかつて運動をしていた自主講座には新しい顔ぶれがそろっていました。


でも、彼らの中には「救いようのない・大たわけ」がいました。土木作業員の人で、仮にNと呼んでおきます。彼は、人情と真実の見分け方が解らなかったのです。


例えばこうです:例1・・・私の哲学観・宗教観を一応は拝聴しつつも、「でも、森下さん、俺はD苑の信者なので、やはり森下さんより、みんなの集るD苑の説教のほうが大事なのですよ」・・・「それなら、鼻から俺に物を訊くなよ」、と返しましたが、どこ吹く風。


さらには:例2・・・このN、原子力工学科にも出入りしていて、こう述べました:「私は(原子力工学科の)教授を「尊敬」しているので、問題があったとしても、原発は大賛成!!」と。これはある意味スゴイ境地です。ため息が出てしまいます・・・あまりのレベルの低さに。こんな馬鹿、実在したのか、と。


人情において教授を尊敬していたとしても、真実に目をつむる・・・それを人は「妄信」と呼びますね。原発という施設が持つ危険性になんら疑問を持たずにその権威である原子力工学科の教授の「人柄」の良さを以って、原発推進派になると言うのですが。あまりに荒廃した精神風景で、ある意味感嘆しましたね、私。


このN、自主講座・主宰の宇井純さんもほとほとお手上げだったようで、敬遠していました。一度、私が研究生としてやっている水質分析実験を試しにやってもらいましたが、根が乱雑な人物、まったく出来ませんでした。


以前、柄谷行人さんとか中上健次さんが対話しているかなり難しい本を読んだことがありますが、その中で中上さんが某作家を称して「馬鹿は学問をしてはならない」と言い切っていましたが、私も、Nについて同意見です。向学心があるのは良し、としても、科学的な批評的スタンスをなにも持ち合わせていなかったのです。これでは「妄信」を補強するだけの材料になるだけですね。また、同じ頃、ロック評論家の渋谷陽一さんは、月刊誌ロッキング・オンで「馬鹿は犯罪的だ」との論陣を張っていましたが、「馬鹿が結果として世の中をミスリードする」と言った意味で妥当な言葉だと思います。


Nが自主講座に参加するのは自由でしたが、人情と真実の区別がつかないようではどうしょうもありません。偏った向学心など持たずに、土木作業員をやって汗を流すほうが向いているように思います。


ちょっと思いだしたのですが、2005年の「郵政選挙」において、自民党の選対は、国民をランク付けして、B層:保守的で知能が低い一団、C層:革新的で知能が高い一団、として、もっぱらB層を相手にして選挙運動をやり、みごと大量当選につながったといいます。Nは、間違えなくB層だから、自民党に投票したのでしょうね。生きていたなら。(お互い、消息は途絶えていましたのでそうとしか言えませんが。)


PS:ちなみに、私本人も土木作業員をやったことがあります。だから、比較的公平な視点で今回ブログを書いたつもりです。


PS2:ところでその原発ですが、3.11直後に当時の菅直人首相のヘリコプターに同乗し、「総理、原発は決して爆発しませんから」と言っていた班目春樹(まだらめ・はるき)・原子力安全委員会委員長のように、「専門もバカ」という人物について、官房長官枝野幸男(元弁護士)は「班目さんは良い人」と称していましたが、枝野氏の場合も「人情と真実」を峻別できなかったですね。このような人になるには、IQの高低は関係ないようです。


日本をダメにしたB層の研究

日本をダメにしたB層の研究

日本を救うC層の研究

日本を救うC層の研究




  

今日の料理



@花豆の煮もの




完成


花豆は、インゲン属の中の「べにばないんげん」のことを言います。「いんげんまめ」とは別種ですが、主産地の北海道では、蔓性で支柱が必要など栽培方法が似ている大福豆や虎豆とともに「高級菜豆」と総称されています。鮮赤色又は白色の大きな花をたくさん咲かせるのが特徴で、それが名の由来ともなっています。赤花の子実は紫の地に黒色の斑が入っていて紫花豆と呼ばれ、白花のものは子実も白色をしているところから白花豆と呼ばれます。豆粒は際立って大きく、煮豆、甘納豆の原料になります。

http://www.mame.or.jp/syurui/syurui_10.html   より


私が昔援農に行った長野県野辺山の農家で、この緋色の花が咲き、粒も大きな豆を栽培していました。ここでは吸水させずに乾いた状態から煮物にしていました。美味でした。現在日本国内では北海道、群馬県、長野県などの冷涼な地域で栽培されますが、中国産も多くみられるようになりました。今回作ったのは「中国産 日光花豆」となっていました。変な呼称。半日ほど吸水させて、圧力鍋でひたひたの水の内鍋で15分加熱し自然に冷ましました。(もちろん外鍋にも水を張るのも忘れずに)丼一杯でなかなかの出来。使った調味料は甜菜糖、甘塩。(それぞれ適量。)

 (2014.04.06)



@とんぶりの大根サラダ



とんぶり」は秋田県特産でホウキグサコキア)のタネを膨潤させた食品で、「畑のキャビア」とも言われます。歯触りが面白いので珍重されます。いつもはマヨネーズ和えにしますが、なにかほかの食べ方はないのか、と検索したところ、出てきたメニューです。

http://cookpad.com/recipe/1121495


大根を千切りにし、塩をふり5分、それにカイワレ大根、とんぶりをのせて、レモン汁、醤油をかけます。そして食べるときにかき混ぜます。ちょっと、カイワレ大根の自己主張が強いです。

 (2014.04.07)





今日の一首


また来たか
亡父残せし
セフィーロ


売らないかと言う
アラブ人なり


 (2014.04.06)




今日の一句


幾とせも
出るを待ちたる
アスパラや


種を蒔いてから、思い出せないほどのスパンを置いて、アスパラガスが一本収穫できました。味噌汁の具に。

 (2014.04.07)