黛まどか(俳人)と「B面の夏」
俳句特集その2
前回、「朝日俳壇四者共選二十年秀句選」を読んで、食い足らなかった点、すなわち句想が20年間さほど進化していないことへのアンチテーゼとならないか、と、図書館から「B面の夏」(黛まどか:まゆずみ・まどか・角川書店・1994)を借りてきました。
この人は女性俳人であり、ちょうど短歌の俵万智さんのような存在かと思っていましたのもこの本に手を伸ばした理由です。その黛さんの略歴は wikiより
世界を股にかけたウオーキングが好きな方のようです。神奈川県足柄下郡湯河原町生まれ。父は俳人の黛執。1983年(昭和58年)フェリス女学院短期大学卒業。富士銀行勤務時代に杉田久女を知り俳句の世界に魅了される。1988年(昭和63年)「東京きものの女王」を受賞する。1990年(平成2年)俳句結社「河」に入会し、吉田鴻司に師事する。 1994年(平成6年)「B面の夏」50句で第40回角川俳句賞奨励賞を受賞、初の句集『B面の夏』を出版する。同年、女性のみの俳句結社「東京ヘップバーン」を立ち上げる。1996年(平成8年)女性会員による俳誌『月刊ヘップバーン』を創刊、代表となる。
1999年(平成11年)サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路約900kmを徒歩で踏破。2001年(平成13年)から翌年にかけて韓国釜山からソウルまでを徒歩で踏破する。2002年(平成14年)句集『京都の恋』で第2回山本健吉文学賞を受賞する。2006年(平成18年)『月刊ヘップバーン』を通算100号で終刊。2010年より1年間、文化庁文化交流使としてフランスにて俳句を指導する。
現代俳句を代表する女流俳人の一人として活躍中であり、おしゃれ吟行会など数多くのイベントの選者を務めている。
さて、「B面の夏」を紐解いてみましょう。印象的な句をいくつか。
@1:会ひたくて逢ひたくて踏む薄氷
@2:風が好きひな菊が好きアナタが好き
@3:香水の枕詞のごと匂ふ
@4:死んだ真似して浮いてみるプールかな
@5:手花火をして口づけをまだ知らず
@6:旅終へてよりB面の夏休
@7:うしろからふいに目隠しされて秋
@8:山眠る恋の終わりを見届けて
・・・これらの句が印象に残りました。もっとも、この本、一ページ一句で、200句あまりしかないので、装丁が極めて「すかすか」で面食らいました。見開き、両ページの端っこに句が書かれているのです。
@6が、この句集の名称の元になった句でしょう。おおむね、うら若き女性の恋愛感情を歌ったものが多いようです。この辺り、老人が投稿者の大部分を占める「朝日俳壇四者共選二十年秀句選」とは大きく違う点のようです。@1、@2、@5、@7などが典型的です。
いっぽう、その枠で括りにくそうな句として@4があります。これまでの文脈からすると、これまでのように恋人の男性がこの「真似をする」対象かとも思えますが、そうでないとも思えるのです。生きていくことへの嫌悪感というものさえ感じます。
今日のひと言:@8は、「山眠る」という立派な季語と、個人的な恋の終わりをオーバーラップしている意味で秀句といえるかもしれません。黛まどかさんは、この少女のような感性を今でも持っているのでしょうか?あるいは、年齢に相応の句をひねっているのでしょうか?他の俳人とは異なる表現を追及しておられるなら、それは喜ばしいことです。「B面の夏」は、一種の新基軸を俳句界に吹き込んだのかも知れないですね。
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今日の料理
@エリンギのアヒージョ
以前海老のアヒージョを作りましたがキノコであるエリンギに適用しました。
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20140223#1393099544
(2014.03.20)
@鶏胸肉のココナッツミルク煮
スーパーで一缶100円程度でやすくココナッツミルクが入手できたので、
http://cookpad.com/recipe/2526056 鶏手羽元ココナッツミルク煮込み
を参考にカスタマイズしました。まず、わが家では手羽先は食べないので胸肉、東南アジア料理がルーツなので醤油ではなくナンプラーを使用しました。
そのほかの点はほぼ同じです。胸肉・ニンジン・ブロッコリー・昆布・ニンニクを水から茹で、胡椒・七味唐辛子・ケチャップ・ココナッツミルク150ccを加え、弱火で煮込む。
ただ、昆布・七味というのはいかにもジャパンライズされた感じだし、このレシピにあるようにブロッコリーを入れたら、ぐちゃぐちゃになってしまいました。
(2014.03.21)
@ブロッコリーのココナッツミルク添え
上の料理で余ったココナッツミルク(固体状になっている)を湯煎(ゆせん:温水で間接的に食材を溶かす)して、切り分けたブロッコリーを入れてレンジでチン!!そしてかき回して完成。ブロッコリーの風味にココナッツミルクの独特な風味が加わって、美味しい。
(2014.03.23)
今日の一首
やっぱりな
取り壊されし
古屋敷
今を昔に
なすよしもがな
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20140315
参照。
(2014.03.20)
今日の二句
日向ぼこ
何を想うや
猫二匹
ちょっと風はあるけど暖かい日、なじみのスーパーの駐車場脇で、二匹の猫がゆったりしていました。
(2014.03.21)
雪で折れ
しかし咲きたる
梅の花
今年(2014年)2月の大雪で折れた梅を見て。
(2014.03.23)