虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト:色々な事物を取り上げます。

おーなり由子の「天使のみつけかた」(書評)



春風献上!A happy new  year ! !



つくろう天使とこわそう天使


この二人の天使は、いつも一緒にやってきます。こわそう天使が、ゲラゲラ笑いながら、古くなったものや、今まであったものをガンガンこわしていくと、片方でつくろう天使がつぶれた場所をうめるように新しいものをつくっていきます。


こわそう天使がこわせばこわすほど、ライバル意識でもあるのか、つくろう天使は、
「これはこわせないだろう」と、挑戦的に、新しいものを必死でつくります。


 こわそう天使にこわされて、つくろう天使は腹がたたないのだろうか、ときいたら、
「こわされるほうが次によいものがつくれるし、ハリがあるのさ」
 と、つくろう天使。


「こわす勇気のないやつもいるしな」
と、こわそう天使。


 二人そろっている方がよい関係なのだそうです。

「天使のみつけかた」P104−P105


この一節は「おーなり由子」さんの「天使のみつけかた」(1992年:大和書房)から引いてきました。この本、注意していればどこにでもいる「天使」たちを探すにはどうすればいいか、その秘訣を語った本です。



 この本は、2006年、私が某病院に入院していたとき、ある青年に読ませてもらったものですが、彼も天使が好きな人でした。なかでも、冒頭に挙げた「つくろう天使とこわそう天使」の記述にはなるほど、と唸りました。世界は創造と破壊で出来ている・・・なにやらインド神話の創造神ブラフマーと破壊神シヴァのペアーのようにも思えます。深いなあ・・・そうとうな教養が必要ですね、こんなお話が書けるには。


おーなり由子さんのプロフィールは

おーなり由子(おーなり ゆうこ、1965年2月18日 - )は、日本の絵本作家、漫画家。大阪府出身。女性。
1982年、『りぼんオリジナル』(集英社)秋の号に掲載された「路地裏の風景」で漫画家としてデビュー。1985年に初短編集『秋のまばたき』に続いて、1987年『六月歯医者』、1988年『グリーンブックス』、1990年『ともだちパズル』の計4冊の漫画作品を発表するものの、1992年の『天使のみつけかた』以降は活動の中心を絵本に移す。1999年には北村薫の『月の砂漠をさばさばと』の挿絵を担当した。
NHKおかあさんといっしょ」中の歌「あめふりりんちゃん」、「ハオハオ」の作詞も行なっている。

です。(wikipedia


もう一箇所引用すると


あっ


いる  いる!
いる  いる!


天使たちは
目に見えないことが多いけど、
いるような感じがする時には
いるのです。

  P12


世の中には目にみえない天使たちがいっぱいいて、それぞれの活動をしているという世界観ですね。ありとあらゆる人間界の人間の活動にかかわっているという感じですね。たとえば「ひるね天使」「なみだ天使」「台所天使」「ひとめぼれ天使」・・・よく考え付くものです。もしかして、天使たちはおーなり由子さんには本当に見えるのかも。そのような感受性を味わいたいなら、打って付けの本です。



今日のひと言:天使が溢れているということは、それと同じくらいだけ悪魔もいるということになるでしょうね。


天使のみつけかた (新潮文庫)

天使のみつけかた (新潮文庫)

ことばのかたち

ことばのかたち



今日の料理


@ニンニクの芽と卵の炒めもの



いわゆる「ニンニクの芽」というのは実は芽ではなく、ニンニクの花穂がひょろ長くなったもの。ニンニクらしい風味があるので重宝し、大抵のスーパーに置いてあります。今回はクコの実とともに塩・胡椒して炒め、卵一個にもおなじく塩・胡椒したもので閉じ、一品にしました。

 (2013.12.29)



@おせち



わが家ではほとんどおせちを作りません。市販品ですましてしまいます。例外は「黒豆」くらい。圧力鍋で10分ほど加熱して作りました。品は、カズノコ、昆布巻き(サケ、ニシン2種)、チョロギチョロウギ)、カマボコ、スモークサーモン(これらは一皿)、大根とニンジンのなます、黒豆でした。

 (2013.12.31)




今日の二句



まだらにぞ
雪を戴く(いただく)
皇海山


皇海山(すかいざん)は標高2000mあまり、浅間山のようにはすっぽり冠雪しませんが、それなりに風情があります。

 (2013.12.29)




列を組み
寒さをしのぐ
根深かな


根深(ねぶか)とはネギのこと。関東では土を厚く盛り上げ、ネギの白い部分を増やして食べます。関西のほうでは青いネギを好んで食べるそうですね。

 (2014.01.02)