虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

TPPの狂気

 アメリカという国は、自分たちの社会制度や生活様式が世界最高だと考える傾向があるように思います。安倍晋三が愚かにも交渉参加を決めたTPPもその例に漏れないと思います。


 先週の週刊新潮(3月28日号:今年12号)の記事に、「霧の中の「TPP」20の謎」という特集があり、上記の感想をいかにもそうだな、と感じることが多かったです。なかでも2つの記事には目を奪われました。


 一つは、アメリカの銃器製造会社、「スミス&ウェッソン」が、銃器に関する日本の厳しい統制(銃刀法)に不満を示しているらしいのです。これまで、アメリカが銃器天国であり、銃による無差別銃撃事件があまた起きており、当のアメリカ内部でも銃規制を強めようという動きもあるというのに、ナイフなどしか凶器にならなかった日本に拳銃を持ち込んでどうしようというのでしょう?


 また一つは、アメリカに有利な仕組みとして、ISD条項が有名で、これも今後日本国民はさんざ悩ませられることになるのでしょうが、ほかにも「ラチェット条項」というのがあります。(ラチェットとはナットを回す工具のことだそうです。一方にしか締められないタイプの。)

昨年4月にはアメリカで6年ぶりにBSE感染牛が確認されると韓国政府はすぐに米国産牛肉の輸入停止を発表。だが6時間後にそれを撤回する事態となる。政府は明らかにしていないが、いったん規制を緩和すると元に戻せない「ラチェット条項」に抵触するからだと言われている。

        新潮P31

韓国とアメリカは「米韓FTA」を結んでいますが、これの中身がTPPでもあることは想像に難くありません。


以上、2つの事態について書きましたが、今回の週刊新潮の特集は、必読です。余りと言えば余りにアメリカに有利にできている「パートナー・シップ」がTPPなのです。いわば、同盟国の生血をすする吸血鬼がアメリカなのでしょう。


TPP亡国論 (集英社新書)

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TPP興国論 (ロング新書)

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↑正反対の主張の2冊


今日の料理

のらぼう菜のマヨネーズ和え

「のらぼう菜」とはナタネの一種で、埼玉県、東京都西部地域特産の野菜です。この冬、育てていたものを食卓に乗せたわけです。今回は花穂を中心にして収穫しましたが、次回は葉を中心に収穫しようと思っています。何回か収穫できるそうです。料理の味はシンプルにマヨネーズ和え。(種子は「サカタのタネ」から入手しました。)
  (2013.03.21)




今日の一句


釣らばやな
川面に見ゆる
ウグイたち


私は子供のころ、用水路に迷い込んできたドジョウやアメリカザリガニをよく捕獲していましたが、数年前、近くの川でウグイ釣りを試したことがあります。釣果ゼロでした。今日見たところ、そのウグイが群れをなして泳いでいました。

 (2013.03.21)