昆虫の変態(metamorphosis)
昆虫シリーズその3(全3話・一回おきにエントリーします。完結)
男の子で、小学生の頃、「昆虫獲り」をやったことのない人は少ないでしょう。私もそうでした。でも、大体は小学校時代にその趣味を卒業し、もっと別のことに関心が向うようになるでしょうが、高名な学者さんのなかには成人しても虫大好き!という方もいます。奥本大三郎さんとか養老孟司さんとかがそれに当たります。
では、どんな昆虫が好まれるかといえば、普通の人ではカブトムシ、クワガタムシを始めとする甲虫類が主で、大人になっても昆虫採種する人には蝶や蛾をターゲットにすることが多いと思います。そして標本にするのですね。
さて、甲虫と蝶類には共通点があります。それは何かと言えば、両者ともに「完全変態」をするということです。これは、昆虫がその一生のステージにおいて、「蛹:さなぎ」の時期を経る場合にこう呼ばれるのです。こういう属性が昆虫マニアの興味をそそるのではないか、と思います。
昆虫の成育過程は
卵→孵化(ふか:卵からでる)→幼生→数次の幼虫→蛹化(ようか)→蛹→羽化→成虫が標準的で、この変身をする昆虫を「完全変態」と呼ぶのです。そして蛹の間に、体の組成を組み替え、第二の誕生ともいうべき変身を成し遂げるのです。そして、成虫は大体翅(はね)を持っています。甲虫、蝶類などがこれに当たります。
私は以前、某塾で小学生に理科を教えていたとき、ある生徒に「成虫になって、翅がなくても、それを羽化と呼ぶのか?」と聞かれました。それは確かにその通りで、羽化と呼べます。私は彼に「おめえ、頭良いなあ」と呼びかけました。
一方、蛹というステージを経ない昆虫も結構いて、ゴキブリ目、カメムシ目、トンボ目、バッタ目など、結構いて、これらは「不完全変態」の昆虫と呼ばれます。
「変態」のことを英語で「metamorphosis:メタモルフォーシス」と呼びます。
完全変態の昆虫のほうが不完全変態の昆虫より新しい種族なのですが、これは何故か、というと、wikipediaによれば、
昆虫では、卵から孵化すると、幼虫と呼ばれる形態となる。幼虫が、生殖能力を有する成虫になる過程で変態を行う。ただし、原始的な種類には変態をしないものもある。昆虫類が変態を行うようになった理由は明らかではないが、一説によれば、古生代 石炭紀から二畳紀にかけての気候の悪化へ対応するため、蛹(さなぎ)の段階を経ることによって寒冷期を乗り切るように進化したためであったという。
また、別の説によると、蛹を持つ昆虫は、幼虫と成虫が食べるものが異なる場合が大半で、「生息域」を広めるために住みわけているのだ、という説もあります。「昆虫たちの変態」(海野和男:誠文堂新光社)たとえば蝶の場合、幼虫はひたすら植物の葉を食べ、成虫は蜜を吸う、という具合です。そこに行くと、トンボの場合、水中ですごすヤゴは肉食性で、成虫も肉食性です。本質的に、食性が変わらないのです。
今日のひと言:女性でも、昆虫大好きな人のことが「堤中納言物語」に出てきます。「虫愛づる姫君」という有名なお話ですが、この物語のなかで、姫はみんなが忌み嫌う毛虫を愛玩しています。その毛虫がやがて綺麗な蝶になることを期待して。昆虫マニアは昔の時代にもいたのですね。
参考HP:虫愛づる姫君
http://www1.plala.or.jp/yossie/words/020501.htm
列なして
咲くやこの花
うるいかな
うるい(ギボウシ)はユリ科の山菜。春先の葉を食べたり鑑賞したりします。
(2012.07.11)

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