「トンブリ」も中国産!!
私は「畑のキャビア」とも言われる「トンブリ」が好きで、一袋100円程度のパック商品をよく買います。あの、黒くて、口のなかでぷちぷちはじける食感が素敵なのです。この食感は、膨潤させたホウキグサ(コキア)の種に特殊加工して得られます。
ネット上に、トンブリの特許製法がありましたので、いちど本来の原料であるホウキグサではなく、同じアカザ科のアカザの種で出来るかどうか試行してみたことがあります。ただ、PHの調整とか圧力鍋に掛ける際の手続きが不完全だったか、本来アカザの種にはこの製法が当てはまらなかったか、で、出来ませんでした。
我が家ではマヨネーズ+オイスターソースで味付けして食べます。
とんぶりは、アカザ科ホウキギ属 (en) の一年草であるホウキギ(ホウキソウ、ホウキグサ)の成熟果実を加熱加工した物の、日本語での名称。 日本では古来、民間療法で用いる生薬の一つであったが、現代では日本文化における食品の一つとして用いられることが多くなった。
ホウキギという植物もその実を薬用および食用とすることも、古代中国よりの伝来であり、日本で言う「とんぶり」と同じものを、古来、中国であれ日本であれ漢方医学では地膚子(日本語読み:ぢぶし、じふし)と呼び、利尿と強壮を主な薬効とする生薬として取り扱ってきた。
「とんぶり」の名の由来については、「ぶりこ(ハタハタの卵)に似た、唐伝来のもの」を意味する「とうぶりこ(唐ぶりこ、唐鰤子)」が省略され、転訛したものとする説が有力である。
食品としての「とんぶり」の由来は、箒の材料とするためにホウキギを広く民間で栽培していた近世の日本にて、飢饉に瀕した羽後国北部(現・秋田県北部)の米代川流域に暮らす民がその果実をなんとか工夫して食べることに迫られ、加工したのが始まりとされる。以後これが当地域の特産物として定着し、また、現代では日本全国に知られるまでに普及した。ただし、製法自体は羽後国の民の発明とは考えられず、古くから生薬としては知られていながら積極的には食べられてこなかったものと思われる。
日本での旬は10月から11月にかけてである。通常は、収穫後に乾燥させた実をいったん煮た後、一日ほど水に浸してから手で揉んで果皮(外皮)を取り除き、これを2- 3回繰り返して完成させる。また、生食用のとんぶりは、9月の上旬から中旬にかけて流通する。
果実は直径1- 2mmの小さな球形で、黒緑色で光沢があり、歯ざわりも似ていることから、日本語では「畑のキャビア」(はたけのキャビア)」「和製キャビア(わせいキャビア)」との雅称でも呼ばれる。納豆や、すりおろした山の芋などと混ぜ合わせて食べるとプチプチした食感が楽しめる。
ここで、最近スーパーで見た「とんぶり」、原産国に「中国」とありました。膨潤加工は日本国内でやっているようでしたが、ホウキグサの栽培も中国に委託しているという事実に、なんだか悄然としました。そこまで食料の生産を外国に任せなくてもいいのではないでしょうか。秋田県の名産である「とんぶり」、全国流通させる意味で、県内の畑では間に合わないということなのでしょうか。その会社は秋田県の「渡辺食品工業株式会社」でした。トンブリにかけては業界トップの会社のようです。
もっとも、wikipediaの記述にあったように、「トンブリ」が民間薬の一種であったとして、それが中国由来のものだったとすれば、ホウキグサも本来の栽培地に戻ったということかも知れないですね。ただ、種の膨潤技術は、日本で開発されたと思いたいですが。
なお、ホウキグサの原産地については、南ヨーロッパであり、それが中国、日本へと伝播し、栽培の歴史も1000年ほどあるようです。
http://www.hana300.com/kokia0.html
今日のひと言:私の住む市に「秋田県の美味しいものを喰わせる飲み屋」があります。「トンブリ」ももちろん、「しょっつる鍋」とか「きりたんぽ」などと一緒にメニューにある定番料理ですが、これらの美味しい産物はやはり現地かこのような店でだけのみで一般の人が食べることが許されるものなのかも知れません。
食養(マクロビオティック)では、食料に関する態度として 身土不二(しんとふじ)というのがあります。食べ物は、出来る限り近くで取れた食料を食べるのがよく、圏外からもたらされる食物は避けるほうがいい、といった教えです。その意味でも「トンブリ」も秋田県で食べるのが良い??
ホウキグサ
赤く染まりて
刈り取られ
(*)写真は昨年撮ったもの)
タエ散歩
胸にしみいる
秋の風
(家の飼い犬が「タエコ」。タエコの散歩を略してタエ散歩。)
稲よりも
ヒエを育てる
農家あり
イネの上、茶色い穂がヒエの穂。
(2011.09.12)

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