虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

女性はおしゃべりが好き?〜NZ地震


 2011年2月22日に起きたニュージーランド地震、被害者のご冥福をお祈りします。ただ私は、その被害者たちの顔ぶれを見て、「実に女性が多いな」と思いました。語学留学しにきた人のうち、8割くらいは女性の被害者でした。これはどんな事態なのでしょう?


 女児男児に比べ、話し始めるのが早いそうです。女性は、男性に比べ言語脳が発達しているのでしょうか。それで、しゃべることに愛着があるのかも知れません。


 私自身、その男女差に唖然としたことがあります。ある分野の専門家の女性(私と恋愛関係になりかけていた)を、私が主宰する講座に招いたことがありますが、会場に彼女と向かう際、そこは廃線になった鉄道のレールが敷設してあったのですが


彼女:どこまでも続きそうね、この道。
私:(無言)


これで講座が始まって彼女を会場の人たちに紹介しようと、私が発言するのを遮って、彼女は講演を始めました。明らかに彼女は不機嫌でした。後から考えてみるに、あのとき、私が「そうだね、このまま二人でどっか行っちゃおうか」とでも応答していたら、彼女も機嫌を損ねることもなかったでしょう。私にとっては予想外の彼女の反応でした。


 女性はなるべくしゃべりたい、男性はなるべくしゃべりたくない。・・・このような傾向があると思います。よりはっきり言えば、男性にとって会話は「苦痛」、女性にとって会話は「快感」なのだと思います。その性差をお互いどのように埋めていくか、が健全な男女関係の構築には必要とされるのでしょうね。


 さて、ふたたびニュージーランド地震についてですが、犠牲になったのは「富山外国語専門学校」の19歳くらいの女子学生が目立ちます。(なかには医療用語としての英語をマスターするためという明確な目的をもって滞在していた看護師の女性も複数いますが)この19歳くらいの年齢で語学専門学校に行き、4年制大学に行っていないというのは、進路としては通訳、翻訳家、外国での日本語講師などが浮かびますが、「英語しか知らない」というのでは進路の幅が狭まるのではないでしょうか。英語以外にもそれなりの教養がなければどんな仕事もできません。実際、2月27日の読売新聞上に掲載されていた「連絡が取れなくなっている28人」によると、19歳の専門学校生たちの多くは漠然と「英語を生かせる仕事につきたい」としていて、私の想定が当たっています。英語を話せるだけでは不十分なのです!


作家の阿刀田高(あとうだ・たかし)さんは言っています。「英語がしゃべれるくらいでは、せいぜい白人の「召使(servant)」になれるのが落ちだ」と。やはり日本人として恥ずかしくない教養が必要だと。その種の教養を蓄積するには、19歳での英語専門学校では物足らないと思います。とてもとても・・・世界に対峙できないでしょう。


 なお、今度の地震の被害者女性たちがそうだとは言いませんが、語学留学する女性には、白人の男性を引っ掛けるという不埒(ふらち:ふとどき)な目的でやるという事例もあると、かつて「語学留学をする人の実態を書いた本」で読んだことがあります。(書名は失念)


 私が東大マンガクラブに在籍していた際、クラブ員に、裕福な家の娘で、毎晩六本木で遊んでいる日本人女性がいましたが、彼女は「私、モンゴロイド系は嫌い」だと言っていました。「自分もモンゴロイド系なのにねえ」、と声を掛けたくなりましたが、どうでもいいや、とそのままにしていたこともあります。このような心象風景の元に、ある種の女性は白人男性を引っ掛けようというのでしょうね。



今日のひと言:なお、今回のブログは、被害に遭った女性たちをけなす積もりで書いたのではありません。ただ、「英語熱」のありように不気味なものを感じているから書いたのです。「楽天」や「ユニクロ」のようなニッチ企業でも英語熱が盛んですが、「楽天」のように、昼食のメニュー「??のしぐれ煮」なども英語で通そうとする態度が変なのにね。「楽天」程度の企業コンセプトの会社だったら、中国にだって沢山登場しているはずだし、「楽天」は世界に通用するほどの会社ではないと思います。


関連過去ログ:なぜ英語を学ぶの?(早期英語教育)
       http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070301

英語を子どもに教えるな (中公新書ラクレ)

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今日の一句

桜花
しっとりと咲く
山霞み

  (2011.04.18)