AKB48とグッドデザイン賞
AKB48特集 その1
もはや知らない者のない、AKB48。彼女らはもちろん生身の人間ですが、工業デザインにおおむね授与されるグッドデザイン賞の金賞(2010年度)を獲得しました。これはどんなことになるのでしょう。
まずグッドデザイン賞とは。2010年11月11日の読売新聞の広告欄によると
「人間のあらゆる生活領域で展開されているものごと」を対象としたデザイン評価・推奨制度。「優れたデザイン」のもつ卓越した「デザインの力」をもって、豊かな生活を築きあげ、産業の健全な発展を導いていこうとする制度であり、デザインを通して社会を明るく豊かにしていく運動でもある。50年以上の歴史をもち、これまでに約35,000点が受賞している。」
そしてAKB48の受賞理由としては
ネットワーク領域:エンターテインメントプロジェクトデザイン(AKB48)
デザインの領域が急速に拡大し続けている現代、モノだけでなくビジネスモデルも対象として評価されました。AKB48は秋元康氏が総合プロデューサーを務めるアイドルグループです。2005年より「会いにいけるアイドル」をコンセプトに活動を開始。秋葉原の専用劇場では日々公演を行っています。劇場へ行き、お金を払ってでも観たいと思うものこそが、“人気”であり、ワンソフト・マルチユーズできるのが、AKB48。「コンテンツもデザインを変える時代」と近年のエンターテインメントプロジェクトデザインとしては群を抜いた先見性と完成度で、非常に大きなインパクトを与えました。今後もジャパニーズポップカルチャーをグローバルなエンターテインメントビジネスとして成立させる可能性を感じさせるプロジェクトデザインです。
工業デザインの一種と見られているのが、とても不思議です。現実のAKB48のメンバー、一人一人というより、AKB48のシステムそのものが称揚されている・・・「取替え可能」なアイドル、「消耗品としての」アイドル。こんな言葉が浮かびます。このようなアイドルシステムを考え出した秋元康さんのアイディアが優れていたのは解りますが、その着想は、私には「ひとりひとりの女性である」AKB48に過酷であるのではないか、とも思うのです。工業的なデザインという抑圧で潰されないかと。
昔彼が仕掛けた「おニャン子クラブ」のように、やはり会員番号はあるのでしょうか。また、AKB48と同じコンセプトで名古屋で立ち上げた「SKE48」、大阪で立ち上げた「NMB48」なども同じシステムで動いているのでしょうね。これが「ワンソフト・マルチユーズ」ということなのでしょうか。しかも、プロデューサーは全て秋元康さんで、全ての曲を彼が作詞している(100%)・・・曲の粗製乱造のような気もします。曲の密度が低い。そしてそのような歌に熱狂して野太い声で歓声をあげる若い男性ファン。
また、AKB48のメンバーが、テレビ上で唇をすぼめて、キスの時のような仕草を見せるというパフォーマンスをしていて、これはやり過ぎだろうと感じました。ベタに男の子の性欲をくすぐって売らんかな、というゲスなプロデューサーの意図が透けてみえます。小手先の工夫ですね。こんな環境では、天才は生まれ得ないですね。もはや宇多田ヒカルのような天才は現れないのでしょうか。
今日のひと言:個人的には、私は、音楽シーンに登場したころから、秋元康さんは嫌いでしたね。まるでどこかの会社の重役みたいだったので。(これはあくまで個人的な感想。)
今日の一句
やれ見たか
クレーンのむれ
大地食む(はむ)
近くの病院工事現場で、巨大なクレーン(最高の高さ40mくらい)数台で工事をしていました。正確に言うと、クレーンは鉄骨を運ぶように動いていたのですが。そう言えば、「クレーン」とは「鶴」のことでした。
(11.1.19)
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