虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

クライメートゲート事件・・・温暖化は進行しているか?


 2007年のノーベル平和賞は「地球温暖化に警鐘を鳴らした」として、アル・ゴアアメリカ副大統領とIPCCが受賞していますが、これが眉つばものだったというお話。


 ちょっと古くなりますが、週刊新潮(2010・4月15日号)に以下のような厳しい記事が連載されていました。


 地球温暖化に関して、権威あると思われていた学者たちが共謀して、データの捏造をしていたというから堪りません。この事実は、2009年11月に起きたメールのハッキングの結果広く知られるようになったのは皮肉ですが、粗筋はこうです。


 ペンシルベニア州立大学の古気候学者・マイケル・マン教授は、古生物と気候に関して、「ホッケースティック曲線HS曲線」という、ホッケースティックのように、急な右肩上がりになる図を創出し、「気温がここ30年ばかり異常な上がりかたをしている」という理屈を見出しました。(捏ねたというほうが正確ですが・・・)


 このひとに同調したのが英国イーストアングリア大学の気候研究所(CRU)のフィリップ・ジョーンズ所長で、一緒にデータを捏造して「ここ30年の気温上昇が見られる」という結論にしちゃったのですね。こんなクリティカルな問題において、一体なにを考えているのやら。さらに、ジョーンズは自分たちの「研究結果」に相反する研究を握り潰そうともしていたそうです。なんといっても、気候学の権威ですからね。


 彼ら、今回の「クライメートゲート事件」(ニクソンの「ウオーターゲート事件」をもじってこう呼ぶそうです)で、学者としての地位と信頼は終わりですね。科学史上まれに見る捏造ですね。


↓マンの作成した気候変動グラフ(上)とジョーンズのそれ。示し合わせたように、気温変動が似ています。(週刊新潮46P)

 そういえば、以前聞いたことですが、温暖化の傾向を調べるのなら、気候観測所を密にしてしかるべきに、観測所全体を減らし、また暑いに決まっている大都市部に設置していたようなんですけど、これってどうなんでしょうかね。


特にマンの場合・・・「とはいえ、当初からマンの研究にも疑惑の目が向けられていなかったわけではない。カナダの統計学者であるスティーブ・マッキンタイアは02年ごろ、マンにHS曲線の元データの公開を要求しました。当初マンは出し渋っていたんですが、その元データを分析すると、マンは不適当な年輪データを使用し、さらに数学的な統計方法に問題があることが判明した。要は、20世紀の気温の異常値をより拡大させる計算が含まれていたんです」(引用は週刊新潮46P)


 そして、ゴア氏もそうなんだけど、彼らには産業界とかから多額の助成金が入り、ウハウハ状態だったとのこと、ゴア氏の場合、環境ファンドを設立し、50億ドルも集めていたとのこと、商売が上手い。こう言う輩を政商というのではないか・・・



今日のひと言:私の師の宇井純さんから、「今の文明では、公害をなくすことはできない、公害関連産業が儲かるだけだ」との卓見を伺ったことがあります。まさに、その例が、地球温暖化現象に起きているのでしょう。本当に地球が温暖化しているのか否か・・・私にも解らなくなりました。今、世を挙げての省エネブーム、アンチ二酸化炭素ブーム。各種エコカーブーム。「地球に優しい」という理由から、世界中で推進される原発・・・ああ、メルトダウンが怖い。温暖化よりメルトダウンのほうがよっぽど怖い。




今日の一句
     よーいどん!
     畔(あぜ)から逃げる
     カエル子ら


カエル子とは、アマガエルの「おたまじゃくし」のことです。水田に水が張られると、アマガエルがたくさん産卵し、水田はにぎやかになります。水田は、季節の移り変わりを見事に教えてくれるのです。

地球温暖化スキャンダル−2009年秋クライメートゲート事件の激震

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