虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

ゼウスが愛した女たち


ダナエbyレンブラント
http://www.salvastyle.com/menu_baroque/rembrandt_danae.htmlより


 ギリシャ神話の主神、ゼウス(ローマ神話でジュピター)は、大の美人好き。神、ニンフ、人間と・・・美人をみればその欲望を全開にして、SEXへと誘います。

 彼の「好色」のほどは、どれくらいか、と思い、彼が関係した女性の一覧を探してみましたが、ありました。(↓)

http://home.s07.itscom.net/fudge/C01shiyu2.htm

:「他にもね、こんなやつらがいるんだよシリーズ」

この文献をもとに辿っていきましょう。



 ゼウス(ジュピター)と言って、太陽系の最大惑星・木星をイメージする人も多いでしょう。木星は「快楽の星」といい、その衛星たちは、大小50個ほどあり、ガリレオ・ガリレイが発見した4大衛星がずば抜けて大きいです。それは、エウロペ、イオ、カリスト、ガニメデです。



 このうち、エウロペは牛の形にされ、ゼウスに口説かれました。ゼウスも牛の姿でです。彼女は、ゼウスの正妻ヘラの嫉妬を受け、いまのヨーロッパに逃げるのです。(これがヨーロッパの起源です。)



 このエウロペの逸話には、ゼウスが「浮気」をする際の話の、共通項が見えます。

1) ゼウスはどんな形にでも化けて、女性への思いを遂げる
2) ゼウスの正妻・ヘラは、その女性と産んだ子に障害となって立ちふさがる。

ただ、他のイオ、カリストは女性ですが、ガニメデは少年です。ゼウスに拉致されて、給仕をしています。ゼウスは、美少女・美少年に依らず気にいった者には手を出すのでしょうね。


 これらの話の格好の例として、「ダナエ」の話があります。ダナエはアルゴスの王アクリシオスの姫君でしたが、王は「ダナエが産んだ子供に殺される」という予言(神託)を受け、男と交わらないようダナエを高い塔の上に監禁しましたが、「黄金の雨に化けたゼウス」が塔に降り注ぎ、思いを遂げるのです。そして、神であるゼウスの力を継承したその子「ペルセウス」は、予言通り王を殺し、怪獣・メデューサを退治する、ギリシャ神話のなかでも、一級品の英雄に育っています。


 ゼウスがなぜ好色だったかについては、彼がちょうどライオンのように、優れた遺伝子を持っていて、それを広め、人間界のレベルを底上げするという意味もあったのかも知れません。あるいは、伝説の舞台となった地域が、最高神ゼウスにあやかり、「我が地では、あのゼウスに恩寵を受けた母子がいる」という宣伝文句にもなったかも知れません。最高神となると、いろいろ大変ですね。
 

今日のひと言:「快楽の神」であるゼウスが、「愛と美の女神」アフロディーテとSEXしたか、調べてみると、彼らの子として愛の神・エロスがいます。あの、愛の弓矢を持つ子供の姿の神ですね。
いかにも、な両親・子ですね。

ギリシア神話を知っていますか (新潮文庫)

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