精が付くと現在でも高く取引される「ヤツメウナギ(八つ目鰻)」、あれは魚類ではありません。「円口類(えんこうるい)」という古い生きもので、それこそ「シーラカンス」より古い種類に属します。
これは「無顎類」の一種で、5億年くらい前に出現します。これは地球史上初の脊椎動物でした。「無顎類」が海から川に進出するには、3つの関門がありました。
1) 浸透圧の調整・・・腎臓を持つ
2) ミネラル不足・・・カルシウム貯蔵庫としての骨
3) 干ばつ対策・・・3とおり
A) 干上がるまえにドロのなかにもぐり粘液をだして肺呼吸でたえる
B) 肺を持ち、陸上に上陸する
C) 海に戻る・・・現在の真骨魚へと進化
C)の場合、河川環境のなかで得られた肺を「うきぶくろ」に転用して、体の比重を自由に変え、海のあちこちに進出するのが可能になりました。
この結果、無鍔類はだんだん淘汰されていき、棘魚類、板皮類、と全盛期を迎え、最後に「軟骨魚類」(サメ、エイの仲間)と「硬骨魚類」がデボン紀にほぼ同時に出現しました。
さらに、三畳紀からジュラ紀にかけて、真骨魚類が出現し、進化の頂点に位しました。
顎の発明も、魚類の進化にとって有利に働きました。魚類ではない「アノマロカリス」などは、独得な構造の口を持っていたといいます。
そして今、魚類の進化の頂点には「スズキ目」の魚が位置し、ちょっと上位にはみ出してカレイ目、フグ目 の魚がいます。ちなみにウナギの仲間であるウナギ目は、かなり下等な分類です。(ウナギ、アナゴ、ウツボ、ハモなどを含む目です。(ちなみにドジョウは鯉の仲間です。)
スズキ目の魚は、白身でサシミにして美味しい魚が多いです。スズキ、イサキ、タイ、メジナなど。また、マグロも、スズキ目サバ科マグロ属にいて、これも美味しいサシミを我々に提供してくれます。ただし、マグロはその優れた運動性を維持するために大量のエネルギー(餌、酸素)を必要とするが水中の酸素濃度は低いので、大量の酸素を手に入れるため、泳ぎ続けないと死ぬ、という運命を背負ってしまいました。
今日のひと言:今回のブログは「魚類の進化」島本信夫
MBRIJ Ann. Rep., 2008
を元にして書きました。だからこのブログは「備忘録」「覚書」なのです。
とっても参考になった文章です。なお、スズキ目とコイ・ナマズ目は、所属する魚の種類は大きなグループを作っています。
「サカナ君」に捧げる文章ですね、今回のブログは。
あの「サカナ君」は、「浜崎あゆみ」という名称を聞いて、サカナの「鮎:あゆ」と思
いこんだ素敵なサカナバカです。私も、「太陽占星術」では「魚座」に位置するので魚には関心があるのでした。
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