ヤブガラシを食べる
私は、奇妙にも、物好きにも、一般に嫌われる雑草を庭で栽培しています。いろいろ庭にありますが、現在試みているのが、「ヤブガラシ」です。これぞ、雑草中の雑草。いったん、このツル性の本種が絡みつくと、ヤブの木が全滅するかも――とも言われるほど生命力の強い雑草です。根は地中深く伸び、ツルで他の植物に絡みます。葉は5枚。花は夏に咲きます。
葉の色はミドリからエンジ色といろいろな色を纏い(まとい)ます。
この、煮ても焼いても食えそうもないヤブガラシの料理が「野草の食卓」(甘粕幸子)で紹介されていました。細かなことは忘れてしまいましたが、私なりに紹介してみます。
(調理法)オヒタシ (新芽の)
1. たっぷり草木灰を入れた鍋を沸騰させ、充分茹でる。(アクが強い)
2. 3,4日水をとりかえながらアクを抜く
3. カツオブシ醤油でオヒタシにする (ヌメリがある)
甘粕さんは「美味しいと言うべきかも知れない」と書かれていましたが、私も美味しいと感じました。かすかにヌメルのがポイント高いです。ただし、アク抜き途中で腐りかけて臭くなることがありますが、その場合はもう一度煮ます。
それにしても、ヤブガラシはブドウ科の植物なんですって。力強いものです。ギリシャ神話で、英雄テセウスは恋人アリアドネと一緒に船に乗っていたのですが、その船にブドウがニョキニョキ生えてきて、ブドウの守り神でもある酒神ディオニュソス(バッカス)がテセウスを脅して、アリアドネを連れ去るというお話がありますが、そのような暴力的な強さをヤブガラシには感じます。だって、絡みまくって絡まれた植物を枯らすのですから。
今、私の栽培しているヤブガラシは、川原で一回ユンボで一面をクリーンアップしたあと、ようやく芽吹いたヤブガラシを取ってきて、鉢植え1個、ポリポット1個で栽培しています。まだ弱いので、室内で越冬させ、春になってから、外で定植するつもりです。
今日のひと言:おおむね野草は、タンポポとかツユクサのように、普通の野菜と手間が変わらずに食べられる野草もありますが(タンポポは、サラダ、ツユクサはアク抜きなしでオヒタシ)、このヤブガラシとかスベリヒユにいたっては、3,4日水を換えながらアク抜きをする必要がありまして、残念ながら、アク抜きが不要な野草はあんまりないようです。
この点、人が利用するにはネックとなり、野菜VS野草(ないし雑草)という図式が出来上がったのでしょうね。でも、適切な前処理をすれば、絶対に美味しいものなのです。
また、雑草のような蔑称より野草と言ってあげるのが、これら植物たちにとっても嬉しいだろうな、と思います。
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近況:今はヤブガラシが凄まじい生命力で、庭で猛威を振るっています。ほかの野草とは異なり、庭で栽培するというのは無謀でした。野生のものを採取するのが良いみたいです。(2018.03.25)