グリシドールと発ガン性
*グリシドールと発ガン性
先ほど(2009年9月16日)、花王株式会社が、人気の「特保」商品である「エコナ」を「発ガン性の虞(おそれ)のあるグリシドールの前駆体である「グリシドール脂肪酸エステル」を含んでいる」という理由で、自主回収しました。今回は、このグリシドールを話題にします。
wikipediaによると
[編集] 用途
• 天然油脂、農薬、ビニル樹脂などの安定剤
• エポキシ樹脂、アルキド樹脂の反応希釈剤
• 木綿、羊毛などの改質剤
• 分散染料、反応性染料の染料性改良剤
• 解乳化剤
• グリセロール合成などの中間生成物
[編集] 発癌性
国際がん研究機関 (IARC) により、発癌性物質グループ2A (おそらく発癌性がある)に分類されている。
2009年、花王は食用油「エコナ」のグリシドール脂肪酸エステルの含有量が比較的多いとして、その出荷を一時的に停止した。グリシドール脂肪酸エステルはグリシドールの前駆体で、胃酸などの強酸下で分解しグリシドールを生成すると言われるが、はっきりしたことは分かっておらず、また生成されても、それが体内に吸収されるかどうかも分かっていない。
以上の記述で、注意すべきは「グリセロール合成などの中間生成物」であるという点です。
ここで、「グリセロール」は「グリセリン」のことで、この物質は、日常生活に密着した化合物です。
グリセリンを作る途中で出来るグリシドール、この両者はどう違うのでしょうか?
それが、化学式を見ればよく解りますが、グリセリンから水(H2O)がひとつ抜けてグリシドールになるのです。その点、グリシドールは不安定な物質であることが解ります。この不安定さが「発ガン性」がささやかれる根拠なのでしょう。
そして、グリセリン自体も、普通食べるものではなく、せいぜい医薬品に使うのが普通です。(たとえば誘導物質のニトログリセリンは、火薬としての用途だけでなく、心臓発作にも効きます。)そのような用途でつかうのならともかく、それらが食用の油に含まれることは・・・最低だと思いますね。企業も消費者も。・・・あ、ここまで書いてきて思いだしたのですが、グリセリンは、油脂の骨格物質であり、どのような油脂にも含まれます。(以上、論旨不明確ですいませんでした。あとで書いた記述の方が正確です。ただ、グリセリン単体で摂取されることもあまりないですが・・・)その上で問題なのは、グリセリンを人工合成するという工程を使う時で、グリシドール前駆体が混入しやすくなることであり、このように工業的に化学物質を扱う際、問題になるのです。そう、異物の混入。カネミ油症の際のPCB、森永砒素ミルク事件の際の砒素(ヒ素)・・・という具合です。
今日のひと言:我が家では、これら化学会社が宣伝し、消費者も乗って大成功した商品には目も向けたことがありません。油といえば、素性のはっきりしたオリーブ・オイルとかゴマ油を使っています。
- 作者: ティータイムブックス編集部
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