虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

最近作った和歌、俳句

iirei2009-10-10

 *最近作った和歌、俳句


   苅田








和歌:黄色と黒 (2009.9月下旬)
 ちらほらと、稲刈りする農家がではじめました。その田んぼは藁(わら)ごと火を放って藁を灰にするのですが、それを見て

イナワラに
火をともしいて
米が焼け


ついばみ来る
濡羽カラスら

なお、藁が散っている部分は黄色=黄金色、ワラを焼くと黒色になり、そこに黒いカラスが取りこぼされて火に焼けた米を求めて飛来するのです。
黄色と黒のエクスタシーですね。





俳句:カマキリ (2009.10.上旬)
 先日、家の近くの道路でカマキリが死んでいました。それを見て一句(なお、カマキリの季語は秋)カマキリは蟷螂(とうろう)とも呼びます。


1)
 カマキリの
 ファイティングポーズで
 死に姿


ただ、この俳句、2行目が大きく字あまりです。
そこでちょっと手を加えて


2)
 カマキリの
 攻める姿勢で
 死に姿


これでちゃんとした俳句ですが、やはり
字余りとはいえ1)のほうがいいようです。
自由律俳句ですね。


1)
 カマキリの
 ファイティングポーズで
 死に姿
 

のほうが良い。ただ、2行目と3行目で姿という意味の言葉が重なるのでそれが不自然にならなくするためテニオハを変え



3)
カマキリの
ファイティングポーズが
死に姿


(これに決定!)


こんなのもいいかも。

4)
カマキリの
ファイティングポーズで
死にゆけり


ただ、これは、決定された詩よりパンチ力が弱いです。体言止めにしたかったのです。





私はカマキリという生き物が好きです。なんにでも愚直に、
正面からぶつかっていく様が好きです。「蟷螂の斧」、いいじゃありませんか。



以上、2つの詩です。


大鴉?ポー訳詩集 (加島祥造セレクション3)

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カマキリ観察事典 (自然の観察事典)

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