虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

ロハスの「真贋」・・・あなたはどう思いますか?

 *ロハスの「真贋」・・・あなたはどう思いますか?



ロハスという言葉を聞いたこともある人は多いでしょう。「真贋:しんがん」とは、「本物・偽物」といった意味です。Wikipediaによると、


LOHASロハス、ローハス)とはLifestyles Of Health And Sustainability (健康と持続可能性の(若しくはこれを重視する)ライフスタイル)の略。健康や環境問題に関心の高い人々のライフスタイルを営利活動に結びつけるために生み出されたビジネス用語である。
1998年、アメリカ合衆国社会学者ポール・レイと心理学者のシェリー・アンダーソンが、15年にもわたる調査により、カルチュアル・クリエイティブズ(en:Cultural Creatives)と呼ばれる環境や健康への意識が高い人々の存在を確認したことを元に、レイと起業家のジルカ・リサビ(後にGAIAMを創立。GAIAMとは「ガイア」と「アイ・アム」の合成造語との事)が協力して開発したマーケティングコンセプトが“LOHAS”である。アメリカでは毎年LOHAS市場を拡大するためのLOHAS会議が開催されている。2002年、日本経済新聞LOHASを取り上げた。


 これは、環境と健康をネタにした「商売:ビジネス」であると考えていいと思います。さらに、


LOHASの5大マーケット
頭文字をとってSHAPEと呼ばれている
• Sustainable Economy(持続可能な経済)
グリーン都市計画、SRI、省エネ商品、代替エネルギーフェアトレード
• Healthy Lifestyle(健康的なライフスタイル)
自然食品、サプリメント、オーガニック、マクロビオティック
Alternative Healthcare(代替医療
ホメオパシーアーユルヴェーダ、自然治療、東洋医学、鍼治療、レイキ等
• Personal Development(自己開発)
メンタルトレーニング、スピリチュアル、ヨガ、ピラティス、瞑想法、自己啓発、アート、能力開発等
• Ecological Lifestyle(エコなライフスタイル)
リフォーム、環境配慮住宅、家庭用品、エコツーリズム用品

このように、ロハスの商売は、代替医療ホメオパシー、アーユルベーダ)とかヨガとかも含み、そうとうな産業になっているのが解ります。自分の意識的な取り組みをする前から、「いいもん・ワンカップ」で押し付けるのでしょうか?商業ベースとしては。皮肉なことに、アメリカ人の間ではそれほど知られたことばではなく、日本の方により普及しているということらしいです。


でも、たとえばわざわざグアム島に行って、健康体操で汗を流すといったノリのヒトも多いと思われ(女性誌の記事にあった:CAZ)、まさに商売としてのロハスに絡め取られているのだと思います。こんな活動で地球に優しいとは、お笑いですね。資本主義の悪弊(あくへい:悪い点)だと思います。ここにあげられた幾つかのジャンルは、実際効果の在るもの――自分にも、自然にも優しいものが多いのでしょう。でも、このように「ロハス」として取り上げるには違和感があるのです。


 なお、音楽家坂本龍一氏が「ロハスクラブ」という日本法人の理事をやっているそうです。うえー、イメージ変わっちゃうよお。



今日のひと言:ボランティアでやっていると思っていても、実際には企業の商売の元になっていることもあるでしょうね。
 私は2006年末から2007年初頭にかけて、mixiをやっていましたが(いまでも退会はしていませんが)マイミクの一人が「メルアドを公開してボランティアをやろう」と書いていたのを見て、「このバカが・・・」と思いました。メルアドを公開するというのは、善悪含んでいろいろな組織に利用されるわけですよね。迷惑メールも多くくるということにそのヒトは思いいたらないのでしょうね。善意は悪意にとって替わられるものなのです。



 今日のひと言2:また、マンガ「お茶にごす。」(西森博之少年サンデーコミックス)で、主人公の悪魔のような強さを持つ船橋雅矢は、なにか「いいこと」をする際、「ロハスだねえ」と言うのが面白いです。なにか根本的に使用法が違う気がするのですが。


ホメオパシーin Japan―基本36レメディー (由井寅子のホメオパシーガイドブック1)

ホメオパシーin Japan―基本36レメディー (由井寅子のホメオパシーガイドブック1)