「かわいい」の語源 やまとことば・その4(全4話:完結)
*「かわいい」の語源 やまとことば・その4(全4話:完結)
春風献上!!あけましておめでとうございます。今年最初のブログです。
しばしば女の子は、「かわいい」という言葉を使います。私が中学生だったころ、夕方に過去放送された男の子向きのアニメや実写版の主人公である「巴突進太(ともえ・とっしんた):柔道讃歌」とか「レインボーマン」とかかが「かわいい」というのです。私は、この「かわいい」の意味が理解できませんでした。(より最近での「アムロ・レイ」とか「碇シンジ」なら、かわいいと評価してもいいかも知れません。)
あるいは、自民党のハマコーこと、もとヤクザの政治家・浜田幸一が「かわいい」とか、プロレスの「アニマル浜口」までも、「かわいい」という対象になるのです。これも理解不能でした。
そして、ある時、NHKの番組「課外授業ようこそ先輩」の2002年4月ごろの放送で、講師の女性は、「「かわいい」ものを見つけましょう」と、身の回りの「かわいいもの」を探させる授業をしていました。そうしたら、見付かるは、見付かるは、男の子も女の子もいろいろ「かわいい」ものを見つけてきました。
さては、この女性講師、「かわいい」という言葉に特別な意味を付与しているようです。
まるで平安時代の物書きの女性たちが「あはれ」や「をかし」をその美意識の要約としたように。
そこで調べてみたのですが、まず、「かわいい」を「可愛い」と書く書法は、当て字のようです。この書法の場合、漢字が含まれているので、そう判断できるでしょう。これほど日本人の間に浸透した言葉が漢字由来のものとは思えないからです。
では、「かわいい」の元をたどり、古語辞典(BENESSE)を引いてみました。まず該当するのは「かはいい」。この語の意味は
1) 愛らしい
2) いたわしい、かわいそうだ
この言葉は次の言葉の派出語です。「かはゆし」。
「顔映し」・・・顔が火照る意味?
1) 恥ずかしい
2) 気の毒だ
3) かわいらしい
どうやら、この言葉が大本のようですが、使用する意味としては、もっとも使用頻度の低いものだったのが意外です。
ほら、そこの女の子・・・「かわいい」というのは、もともと恥ずかしいという意味だったのですよん。
今日のひと言:「やまとことば」はそのたおやかさにおいて、世界に冠たるアナログなことばだと思います。でも、英語のようなディジタルな言語もやらなくてはならないのも事実ですね。
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