虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

しめた・しまった・・・騒動(やまとことば  その3:全4話)

 *しめた・しまった・・・騒動(やまとことば  その3:全4話)


 私はある日、面白い発想を得ました。
「しめた」という言葉は「上手くいった、しめしめ」という意味を持つ他動詞、
「しまった」という言葉は「失敗した、残念」という意味を持つ自動詞。
しめしめ・・・・

このように他動詞か自動詞かの違いによって意味が正反対になるのは世界的にも類がない、と喜んで、友人である文学部出身の女性にTELで話したところ、数日後彼女から手紙が来て、以下のように書いてありました。


 「しまった」と「しめた」について。私が音が同じでも1)語源が違うかもしれないし、昔に同じ語でも今は2)用法が変化しているかもしれないし、3)感嘆詞かもしれないと言ったので、もうそちらでも調べたかもしれませんが、やはり「閉める」「閉まる」の関係ではありませんでしたね。(「しめた」は元は「占めたり」で、感嘆詞。「しまった」は「仕舞った」で動詞「仕舞う」の変化形。)



まあ、完膚なきまで、論証されてしまい、むしろ爽やかな気分です。「森下くんの場合、発想力は素晴らしいのだけど、その思いつきを検証する態度に乏しい、それが残念」とのことでした。



今日のひと言:発想力がいいのなら、それを活かせばいいわけで、もっと実地での検証・フィールドワークをすればいいわけですね。
 よーし、頑張るぞい。


やまとことば―美しい日本語を究める (河出文庫)

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