犬とフィラリア
- 作者: 黒川和雄
- 出版社/メーカー: 小学館スクウェア
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 単行本
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タエコは玉座に座り。南面して君臨する。
タエコはイヌの女王だ。
そして玉座と言うのは――
壊れかけ、草のシーツをしいた座椅子。
私もたまに座ることがある。
犬という生きものは、罹る病気が多いです。一番恐ろしいのは、狂犬病ですが、これは人畜共通伝染病ですから、日本においてはほぼ駆逐されています。狂犬病予防接種が年一回行われていますから。なお、狂犬病は哺乳類なら罹りうる病気で、アメリカでは野生動物を捕獲できませんので、リスに咬まれても危ないという状況にあります。以下に書くのは犬が多く罹る伝染病です。
5種混合ワクチン:ジステンパー、アデノウィルス?型、伝染性肝炎、パルポ、パラインフルエンザ
6種 5種+コロナ
8種 6種+レプトスピラC(カニコーラ)、レプトスピラI(イクテロヘモラジー)
これらを流行の状況を見て処方する:
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1111597836
より引用。ジステンパーなんていうのは良く聞く病気です。以上は年1回行えばいいのですが、その致命度において以上の病気と同等で、シーズンの間は1カ月に1回、あるいは2カ月に一回処方を要する病気があります。それが、蚊に媒介されるフィラリア、ダニに媒介されるバベシア症です。そして、引用。↓
##フィラリアは世界を股にかける病原虫である。アジアでは、日本列島から東南アジア、インドにかけて。ヨーロッパでは地中海周辺。アフリカや南北アメリカでは沿岸地帯を中心に。熱帯から亜熱帯、温帯地方にかけて広く分布する。いわば、蚊と犬のいるところならどこにでも発生する。
フィラリアの第一期仔虫(ミクロフィラリア)は体長が約250ミクロンで、多ければ、犬の血液1cc中に何十、何百とうごめいている。蚊がそんな犬の血を吸えば、ミクロフィラリアはあっという間に蚊の体内に入り込む。そこで彼らは2度脱皮して第三期仔虫(感染仔虫)となり、獲物の犬を狙うのである(ただし、外気温が17度以下だと脱皮できない)。
中間宿主の蚊が犬の血を吸い終わり、満腹すると、血を吸う管の側にある唾液の管の出口で待機していた感染仔虫が唾液とともに押し出され、犬の体に軟着陸。蚊が飛び立つとすぐに、蚊の刺した穴から侵入する。
感染仔虫は3ヵ月の間に、新たな宿主となった犬の皮下や筋間で、新たに2度の脱皮を繰り返して第五期仔虫に成長し、血管のなかに入る。
ちなみに感染後6ヵ月たてば、オスなら体長20cm、メスなら体長30cmほどの成虫になる。虫の数が少ない間は肺動脈内に寄生しているが、数が増えるにつれて心臓の右心室・右心房、そして大静脈へとあふれていく。
肺動脈の滑らかな血管内面が傷ついて出血し、内腔がふさがっていくと、咳や呼吸困難、喀血などを引き起こす。また急激な血尿や黄疸をわずらうことも多い。まれに後肢の動脈に虫体がつまり、足先が壊疽したり、眼球内に入ったりすることがある。そうなると大変だ。血管内の虫は殺しても出口がない。やはり予防が第一である。##
以上の引用元はhttp://www.p-well.com/health/clinic/dog/dog-firaria.html を参照してください。
フィラリアは、種類は違うが、人間にも移るものがあり、象皮病というのがそれです。
ここでポイントになるのは、蚊の中に潜むフィラリア原虫は摂氏17度以下の温度なら、犬への感染能力はない点です。犬の祖先のオオカミは、寒帯に住むのが普通だったでしょうから、フィラリア・フリーなわけですね。人間とともに温帯・熱帯に進出したからならではの現象ですね。そんなわけでフィラリア予防薬(Moxidec)を春5月から12月まで、毎月餌にまぜてあたえなければなりません。一回約1600円。それにあわせてフロント・ライン(ダニ、ノミ駆除薬:約1500円)を隔月で皮膚に塗布しなければなりません。
ざっと計算してみると、我が家の飼い犬・タエコは28800円、医療費を強いることになります。(狂犬病予防接種、8種ワクチン込み。)おおむね3万円かかるわけですね。
犬には猫のような突発事で命を落とすことはありませんが、各種の病気から守ってやる必要があるわけです。ペットを飼うのもたいへんです。そんな可愛いタエコに捧げた詩を書きました。↓
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070517
今日のひと言:さらには、通常のドッグ・フードでは満足しないタエコ姫。なかなかグルメです。
今日のひと言2:いまだに人気のNHK「おしりかじり虫」、もし彼らが「狂犬病」キャリアだったら、笑ってばかりはいられませんね。「おしりかじり虫」捕獲運動が起きたりして。
コメントを受けて追記:
メラミンは、おもに尿素から化学合成されます。樹脂前駆体です。「知らずに食べるな!「中国産」」(宝島社)にアメリカでは養豚場とか養鶏場でも餌として与えられたという記述があります。その生き物たちの肉は、我々日本人の食卓にすでに登っているかもしれません。