虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

安倍晋三総理大臣は、物事を客観的に見られない

 まずは、就任直後に放った言葉が「美しい国・日本」。さらには「日本発・美しい星への誘い」とぶち上げてくださいました。ところで「美しい」という言葉は極めて多義的な意味を持つものであり、ある人が「美しい」と思ったその同じものが別の人には「醜い」と思われることもあるでしょう。
 現に私が借りていた畑は、地主の目から見ると醜いもの(農法)であったので、返還させられてしまったのです。(これについては
   http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070701
を参照してください。また、「美しい景観」については
   http://d.hatena.ne.jp/iirei/20060708
で触れています。)



 相対的であるべき「美しい」という言葉を、安倍晋三総理大臣は、一人歩きさせてしまいました。そこには、安倍晋三総理大臣から見るときのみ「美しい」物だけが生き残るのでしょうね。けだし安倍晋三総理大臣が主観的な物の見方をしているとしか思えないのです。


 主観的であるとは、まだ「子どもの精神世界」に安倍晋三総理大臣があることを端的に物語るのです。問題閣僚の取り扱いについても、どんなに批判が出ても「罷免」はしませんでした。佐田玄一郎柳沢伯夫久間章生松岡利勝赤城徳彦・・・どの問題閣僚をも「罷免」はせず、放置しておき、松岡のように自殺に追い込まれた閣僚もいます。その後釜の赤城徳彦も、松岡と同じく「事務所経費」問題でつまずいたのが印象的です。安倍晋三総理大臣が「仲間をかばう」あまり、「罷免」の機を逃し、自殺者まで出したのです。


 なお、赤城も安倍晋三総理大臣と同じく世襲議員であり、祖父同士が首相と大臣の関係であったとのことであり、どうしても閣僚に据えたいあまり、赤城の身辺調査をちゃんとしなかったと思われます。やっぱり「子どもの精神世界」の住人ですね、この安倍晋三総理大臣。「仲間意識」が彼の行動の基本原則なのですね。これが小泉純一郎なら、ちゃんと身辺調査はするだろうし、問題閣僚は容赦なく斬るでしょうね。私は小泉純一郎の政策は支持しませんが、閣僚に対する態度には注目するに値します。彼は小泉政権の生みの親・「田中真紀子」まで平気で斬ったのですから。


 一度閣僚にすると、「仲間として」厚遇し、いっさい「罷免」しないという態度をとるのが安倍晋三総理大臣です。そこには客観的な視点はなく、あるのは主観的な「ぬるま湯」です。朝の閣僚会議が、学級崩壊であるかのように、たるんでいたという話題もありますね。



 子どもがそのまま首相になったのが安倍晋三総理大臣です。成蹊大学でなにを学んだのでしょう?おそらく彼はこの大学でも劣等生だったでしょう。なぜなら、「客観化の過程を学ぶ」のが大学というスペースですから。多くの視点から物を考えうる能力こそが「客観的である」ということですから。子どもが客観的にものごとを見られるようになれば、それは大人です。安倍晋三総理大臣には、客観的という言葉の意味すら解らないということでしょうか。結論としては。国民から、自分がどう見られているかも、彼にとっては意識の外の出来事でしょう。



今日のひと言:いい加減、自民党公明党政権が終焉しないかなあ。