虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

同一の文章を表現するのに、各言語は何文字つかうか?

対訳 ブレイク詩集―イギリス詩人選〈4〉 (岩波文庫)

対訳 ブレイク詩集―イギリス詩人選〈4〉 (岩波文庫)

*1181947467*同一の文章を表現するのに、各言語は何文字つかうか?


 私の好きなウィリアム・ブレイクの詩「The Tyger」を各言語で表現した場合、どれほどの文字数になるか、Googleの言語ツールで調べてみました。


  原詩は以下の通りです


TYGER! TYGER! burning bright
In the forests of the night,
What immortal hand or eye
could frame thy fearful symmetry?

In what distant deeps or skies
Burnt the fire of thine eyes?
On what wings dare he aspire?
What the hand dare sieze the fire?
 
And what shoulder,& what art,
COULD twist the sinews of thy heart?
AND when thy heart began to beat,
What dread hand?&what dread feet?

What the hammer?what the chain?
In what furnance was thy brain?
What the anvil? what dread grasp
Dare its deadly terrors clasp?
 
When the stars threw down their spears,
And water‘d heaven with their tears,
Did he smile his work to see
Did he who made the Lamb make thee?

Tyger!Tyger! burning bright 
In the forests of the night,
What immortal hand or eye,
Dare frame thy fearful symmetry?



これで、633文字。ちなみに私が日本語にした詩は



虎よ!虎よ!   夜の森の中
煌煌と燃え、
どんな不滅の手と目が(創造主が)
お前の恐るべきシンメトライ(シンメトリー・対称性)を作ったのか?

どれほどの深さと高さで
お前の両目の炎は燃えているか
そしてどんな翼をもって彼は飛ぶのか?
どんな手があえて火を掴むのか?

そしてどんな肩と技術が
お前の心臓の筋肉を巻くのか?
そしてお前の心臓が脈打ちはじめたとき
どんな恐ろしい手だろう?どんな恐ろしい足だろう?

お前を作ったハンマーとは?お前を作ったチェーンとは?
どんなカマドでお前の脳は作りあげられたのか?
どんなカナトコ?どんな恐ろしい把握力?
あえて死にも等しい恐ろしさを握りしめるのか?

星星がその光の槍を投げたとき
そしてその涙で天を洗ったとき
創造主はその仕事(作り上げた虎)を見て微笑んだか?
羊を作ったその同じ人が?

虎よ!虎よ! 夜の森の中
煌煌と燃え、
どんな不滅の手と目が
お前の恐るべきシンメトライを作ったのか?



この場合、日本語として380文字。行間は数えず、文字数そのものを読み上げました。
あとの言語の場合、Googleの言語ツールにブレイクの原詩を入れて、変換してみました。中にはうまく変換されない単語もありますが、なんていったって文語である英語が元ですから仕方ないのかも知れません。
例えばハングルの場合なら、


TYGER! TYGER! 불타는 밝은 밤의 숲에서, 무슨 불사하는 손 또는 눈 thy 무서운 대칭을 짜맞출 수 있었는가? 무슨 격원한 deeps 또는 하늘에서 thine 눈의 불을 점화했는가? 무슨 날개에 그를 갈망한다 대담하게 하는가? 무엇 손 도전 sieze 불?   그리고 무슨 어깨, & 무슨 예술지, thy 심혼의 힘줄을 뒤틀 수 있었는가? 그리고 thy 심혼이 칠 것을 시작될 때, 무슨 공포 손? &what 공포 발? 무엇 망치? 무엇 사슬? thy 두뇌는 무슨 furnance에 있었는가? 무엇 모루? 무슨 공포 권력 그것의 치명적인 공포 걸쇠를 대담하게 하는가?   별이 그들의 눈물을 가진 그들의 창 및 물 `d 천국의 아래 던질 때, 그는 그의 일 미소한다 볼 것이다 어린 양을 만든 그는 thee를 만들었는가? Tyger! Tyger! 불타는 밝은  밤의 숲에서, 무슨 불사하는 손 또는 눈, 도전 구조 thy 무서운 대칭? 에 의하여 



のようになり、たとえばTygerという言葉でさえ変換できません。それはそうです。英語の文語だからか、あるいはブレイクの独自の表現だからからです。しかも英語、日本語以外のグーグルの応答では、ぎっちり文字が敷き詰められているので、改行する場所が難しいので、文字数は「一行あたりの推定文字数」*「行数」として算出しました。
その結果420文字。


言語による文字数を列挙すると、
英語:633文字
日本語:380文字
ロシア語:689文字
ハングル:420文字
中国語(簡体字):384文字
フランス語:680文字
ドイツ語:819文字
スペイン語:858文字
アラビア語:495文字


一般的にヨーロッパの言語は使用文字数が多くなるようです。ロシア語、フランスは英語とおなじくらいの文字数ですが、ドイツ語、スペイン語はかなり割り増しになります。
 一方、東洋系の言語の場合、日本語、中国語、ハングルは、使用文字数が少ないですが、これって表意文字をいまだに使っていることもその理由かもしれません。ただ、ハングルの場合、上掲のようにほとんどハングル文字で書けていることに不思議な感じを持たざるをえません。
最後にアラビア語の使用文字数は、東洋系とするには多く、西洋系とするには少なくなっていますね。
どちらかといえば東洋系でしょうか?



今日のひと言:言語ツールを使った、新しい遊びの発見です。