上と下・・・物の考えよう(仏教シリーズ その4)
以下に引用するのは、私が以前作成した文書です。
『((Wolf Project)おおかみ計画)
森下君お助け基金へのお誘い
1987.1.15森下礼
はじめまして。(あるいはごぶさたしています。)私し、今春4月より、群馬県N町で山暮らしをはじめます。3年は群馬周辺から出ないつもりでありますが、都会に残る人たちに、ささやかな贈り物を残そう、と考えています。
それは、災害を超えるテクニック。私の専門分野の水問題、それから中国哲学、方位術、拳法、自然農法など、私の体験全てを総合した30項目のパンフレットです。(表裏合わせ32=2^5枚)
流通は、人→人という伝達のみ。マスコミは無視する予定です。
つきましては、その間の必要な2ヶ月間、文献、フィールド調査が不可欠です。しかし資金がありません。
**そこで、一口1000円以下、何口でも、ということで、私に援助を下さい。3月下旬ごろの、パンフ完成の暁には、だれでも一部、無料でさし上げます。あとは御自由にお使い下さい。(たとえば、コピー。)
この趣旨に賛同なさって下さる方、ご協力を!
(自宅)省略』
この企画は成功し、大体80部ほど、援助してくれた「会員」に配布し、後年、自費出版で「災害の芽を摘む」という本に結実しました。
上の意趣書の中で、もっともユニークであると私本人が思うのは、「一口1000円以下」という文言です。当初私は「一口1000円以上」としていて、当時通っていた某都議会議員の事務所に貼らせてもらっていたのです。それを見たある女性が、「以上」を「以下」と書き換えたらいい、とアドバイスしてくれたのです。それを聞いた私は「目からウロコが取れた」気分になりました。資金が欲しいがため、「以上」と書くのには、内心、一種の「やましさ」がありました。「お金がほしいよぉ。」ところが「以上」を「以下」と書き換えることにより、その「やましさ」を感じなくなり、むしろ晴れ晴れとした開放感を感じました。実効的にも、「以下」で支障はないのです。
もっとも、「一口1000円」と書くのがもっとも正確で、その企画を完遂するためのコストとしては1000円は必要でした。「以下」という設定にしたため、本当に50円しか援助してくれない人もいましたが、趣旨に則り、その人にも1部送付しました。なんだか混沌とした状況を作り出せたのが、救いです。

- 作者: 森下礼
- 出版社/メーカー: MBC21
- 発売日: 1999/09/30
- メディア: 単行本
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今日のひと言:このパンフレット「災害を見切る」の場合、本を売るのではなく、援助してくれた人を会員と見なし、パンフレットを配布する、というのがミソでしたね。