虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

張子のブタ・中国(Doll pig/ China which can not be eaten)―― 一工学士の見解

(過去ログに少々手を加えました。)


私はこれまで2度、中国製工業製品を買って失敗している。1度目はCDテープレコーダーで、これは使い勝手が悪く、すぐに故障した。あまりの粗悪さぶりに、買ってから幾分かの時間が経っていたにも関われず、量販店に返品し、かわりに日本製のCDテープレコーダーを、ちょっと差額を支払い購入した。これは数年を経た今でも現役である。公平さを期して付け加えると、一度だけ修理に出したが、特に手を加えずに返ってきた。2度目は腕時計(電波時計)。これは、電波時計の機能自体はちゃんとしていたが、何と、文字盤の内側が水滴で曇り(それも目に見える程度の大きな水滴。)、使用不可能になった。私は、もう中国製工業製品は、基本的に買うつもりはない。(日本企業が中国で現地生産したものはしかたなく買うだろうが。)
 これをもって、中国の工業力を評価してみよう。私が買って失敗した事例は、比較的難易度中位くらいの工業製品である。ただ、その故障の原因は、初歩的な製造工程の不備から来ていると推測される。一国の工業力は、基礎的な裾野の技術・・・底辺を支える技術がしっかりしているかどうかで計られるというのが、工学士(東京大学工学部修了)としての私の見解である。その立場からすると、中国の技術力の評価は、アメリカの格付け会社(Standard & Poor’s など)の評価基準に倣うと(トリプルA、AAAとか言ったもの)、Cあたりがいいところであろう。中国自体の工業力の評価が、だ。お寒い限りの工業力だ。
 そもそも、中国という国は、独特の「中華思想」が発展を妨げて来た国である。日本より先に西欧文明の恐ろしさを体験しながらも(アヘン戦争:1840−1842)、なぜか西欧に優越感を持ち続けたため、まじめにその思想と技術を学ぼうとはせず(例えば、数学について言えば、中国の伝統数学が西洋の先進的な数学に劣らないと思い込み、便利な数学記号、例えばLeibniz(ライプニッツ)の積分記号を知ったのに、漢字を使用した不便な記号を使い続けた歴史がある。「中国の数学岩波新書」参照。)、また、出来合いの製品を購入はしても、自国で製造するための技術者の養成には消極的だった。軍艦にせよ状況は同じで、立派な軍艦は購入していたが、自前の造船技術者を育てるのに成功した日本と戦い、惨敗している(日清戦争:1894−1895)。この状況は今でも同じで、高速鉄道の技術ではフランスのTGV、日本の新幹線をえり好みして導入しようとしていたし、軍事用の武器にせよ、ロシアから安易に輸入している。何も進歩が見られない。
 読者は言うだろう、「中国は、宇宙航空技術においては、アメリカ、ロシアに次ぐ世界第3位の技術をすでに保持しているではないか。」と。だが私は以下のように見る・・・・「中国の宇宙技術は100%ロシアのものである。」と。そうであるなら、有人飛行が成功して当然であろう。ロシア(ソ連)は、すでに50年前に有人飛行を成功させているから、失敗するわけがない。私がこのように判断するのは、裾野の工業技術力のお粗末さから見て、高度な工業技術を持てるはずがない、との工学士としての常識に則るのである。大体、上海交通大学とかいうわけのわからぬ名称の大学の教授が、アメリカ産のLSIにラベルを張り付け、自分の発明であると詐称するような国である。まともに工業技術に取り組めるとも思えない。
 中国は「張子のブタ(Doll Pig)」だ。恐れるに足りない。本当に恐るべきはロシアである。だからロシアとは仲良くすべきなのだ。




今日のキーワード:中華思想、工学士、アヘン戦争日清戦争




今日のひと言:中国人のノーベル賞、特に科学3賞(物理学賞、化学賞、医学・生理学賞)の受賞者は、私の知る限り、1957年の李政道楊振寧2名の共同受賞1件のみであった。レベルのほどが知れよう。インドのほうが優れている。(注:なお、後に聞いたことだが、この二名は台湾の学者であった。)
日本の場合、同じ条件で少なくとも8名受賞している。ロケット技術にしても、中国は塗装くらいなら出来る程度であろう。
       

こんど、国産の旅客機を2020年までに開発するそうだが、どうせロシアの技術が大半を占めるであろうさ。








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