虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

なぜ英語を学ぶの?:早期英語教育(語学シリーズ その3)

 以前、友人が面白い説を紹介してくれました。「世界を見回して、外国語を学習する民族は、ほぼ間違いなく被征服民族であって、日本のように征服されたわけでもないのに、英語学習熱がある国は外にはない」という説です。
 実質、日本がアメリカ合衆国の占領下に、いまでもある、と考えるのが妥当だと考えます。だから英語、英語と草木もなびくのでしょう。実際に、現代日本の政治は、アメリカ合衆国からの外圧に迎合する政策が採られます。大店法しかり、郵政民営化法しかり、人材派遣法しかり、会社法しかりです。「アメリカからの要請」とはおくびにも出さずに、政策案が出され、立法化するのです。「日本はアメリカの天領」(北野伯幸:メルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」主催)という見解は妥当だと思います。その事実を国民は本能的に知っていて、英語が羨望されるのでしょう。なるほど、英語は公用語として世界で14億人がしゃべる、ナンバーワン言語ではあります。
http://wedder.net/kotoba/languages.html  参照。


 とは言え、いや、だからか、私も英語学習はしています。このブログ「虚虚実実――ウルトラバイバル」をエントリーした際、GOOGLEの「言語ツール」で英語に変換してプリントアウトし(電子的に保存はできないので)、それを改めて読むことにしています。私も被征服民の一人ですからね。かなりイイカゲンな英訳で、おもわず吹き出す表現になることがあります。たとえば「トンデモ」が「ton demostration」、「エッセイスト」が「essay strike」になるなど。実にイイカゲンですが、たった2,3秒でほぼ8割は正確な英語に変換できるのです。これは脅威。変な箇所はあとで添削すればいいのです。オススメ機能ですね。
 ここからは、その趨勢の行き着く果て、「早期英語教育」について書いてみます。参考にしたのは「英語を子どもに教えるな」(市川力:中公新書ラクレ)です。注意したいのは、この書名のように早期英語教育を市川さんが全否定しているわけではない点です。より正しくは「早期英語教育の諸問題」とするのがいいでしょう。これは、よりセンセーショナルに宣伝するために出版社がよく行なう手です。「バカの壁」(養老孟司新潮新書)もそうで、全体を読んでみれば「脳化社会と身体」とするほうが適切です。
 早期英語教育を考える場合、以下の概念が必須です。①一次的ことば・・・あるいは遊び場言葉。これは日常会話を意味します。②二次的ことば・・・あるいは抽象的言葉。教科書を学習する際に必要とされる言葉です。
 若いころから英語に接した子どもは、①の一次的ことばなら、なるほど早く習得できます。英語がぺらぺらになった、と親が喜ぶのはこの時ですが、それからが大変なのです。特に、アメリカにあって、学校で英語、家で日本語を話すシチュエーションが生まれますが、子どもは学校でしゃべっている英語で、家のなかでも押し通そうとし、日本語嫌いになる例があります。その際、親がよほどうまく日本語を話させるように環境作りをしないと、バイリンガルになるどころか、セミリンガルになるおそれがあるというのです。セミリンガルとは、どの言語もまともに話せない、理解できないようになる状態です。このような子どもは①の一次的ことばの段階のままでいるわけです。抽象思考が出来ないのです。それには、まず、母語である日本語で抽象思考を磨く機会が必要になります。
 ②二次的ことばの場合、子どもが異文化の衝突、たとえばパールハーバー奇襲とか原爆についての日米の認識の違いを体験し、「日本人代表」として自らを位置づけ、客観的に自分の考えを伝えるという状況に立ち至ったとします。こうなった時こそ、言語を本格的に習得する段階に入ったと言えるでしょう。この段階で、まっとうにアメリカ人と対峙できるのです。



今日のひと言:早期に(低年齢)から英語を始めれば、それだけ習得が早いということを示す証拠はないそうです。問題は、一次的ことばの段階に止まり、本質的なコミュニケーションがアメリカ人と出来ないような人が多くなることですね。それでは、アメリカ人の召使にはなれても(阿刀田高)、対等な関係は築けません。
 一見やさしそうに見えて、英語はチョーむずかしいlaanguageです。
道路交通法のなきに等しい道路」のようなものだからです。インテリジェンスがなければ、轢死しますよん。^^






今日のひと言2:消費税を引上げたら、NHK維持の特定財源に充てると良い。目的税であ
        る。  BBC(イギリス国営放送)関係者の談話。 ← うそ。



今日のひと言3:昨日、センター試験の英語・リスニングで大混乱を巻き起こしたICプレーヤーは、「ソニー」製だとの情報をキャッチ。2つ問題があります。ひとつは、ソニー製品の粗悪さ加減。家電メーカーの看板降ろせ!!もうひとつは、ソニーがこれだけの大量受注に成功した陰で、文部科学省の果たした役割。なんで従来のスピーカー方式がダメだったか、明確に説明する義務が文部科学省にはありますね。まさか、一民間企業と癒着していました、なんて言い訳はしませんよねえ。確か中山彬文とかいう人が大臣だったね。ついでに、なんでわざわざ雪の降りやすい時期に入試をやるの?欧米に習い、9月に新学期を迎える形式にはできないの?ねえ、文部科学省の役人たち?税金もらってるんだろう?
            Shiryog.xrea.jp/…/10/07_0450.php  ←不確かだが、「思慮G」
         で調べればヒットするよ。




今日の詩:
 
 「暴力」 
矢野顕子
暴力を  否定しながら
子どもを 産んだ。
ところで
SEXって、実は
暴力なんだよね。
男も女も
暴力を 行使して
子どもが 生まれる。

矛盾してるよ、
アッコさん。