虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

大相撲:ありえる四股名・ありえぬ四股名

  (インターミッションその2)
 最近、大相撲にはまっています。特にお気に入りはビールのCM「秋チャンコどぇーす!!」の琴欧洲把瑠都(バルト)です。把瑠都なんかは、「ナターシャ」と呼んで可愛がっています。もみ上げ、おちゃめ!!まあ、格闘技としての相撲は、K−1やPride(プライド)における第64代横綱・曙の体たらくを見ると評価は下がってしまうのは否めないし、相撲人気は長期低落傾向にありますが、まあるい土俵のなかでの大男による一定のルール内の肉弾戦という意味では十分面白いものだと思っています。だって、今年のスポーツ界十大ニュースのトップには、荒川静香の金メダルでもなく、ジダンの頭突きでもなく、WBCで日本世界一でもなく、ハンカチ王子でもなく、疑惑判定の亀田興毅でもなく、千代大海と揉めた露鵬が暴力を振るったことが来ます、私的には。いけませんか?
 そんな相撲フリークの私、06年九州場所における幕内力士の四股名(しこな:リングネーム)を分析し、その命名の傾向を探ろうと思います。幕内力士は42名おり、いろいろな区分で四股名の要素を分類します。(かっこは複数ある場合の総数、・・・後の漢字は四股名に存在しない漢字の例)
①動物  龍(3)鵬(3)鷲 鶴(飛ぶ動物が多い)・・・亀 鼠 鴉 蝿 蛇
②地理  海(3)山(5)島(3)富士 日 欧州 露(2)洋 把瑠都・・・川 
③方位  東 天空 旭(3) 天(2)高 北・・・南 西 地
④植物  栃(3)菊 桜(2)花・・・松 竹 梅 葛
⑤時間  千代 朝(2)時 春(2)日(ものごとが始まる早い時間帯が好まれる)・・・夜 昼 冬 夏 秋
⑥色  青 白(2)黒 赤・・・紫 黄(中国では高貴とされる色は使われない)
⑦集落 里・・・街
⑧自然現象  風 潮 光 岩木・・・地震 津波(禍々しい現象は忌避される)
⑨人工物  錦 琴(3)玉(2)垣
⑩行為  勝 見 喜 出 添・・・負 入 悲
⑪人物  将 皇 司 王・・・民、臣、奴(支配者を好む)
⑫諸概念 (省略)

以上です。相撲の四股名で好まれるのは、春、朝、龍、山、皇などの文字であり、高い、爽やか、広々とした、権威ある、強いとかのイメージが多用されます。相撲の世界では、じめじめしたもの、狭いもの、禍々しいもの、弱いものなどは忌避されるのです。ある意味、男尊女卑の世界といえるかも知れません。なお、「栃」とか「琴」という言葉は親方の四股名から取っているので四股名の一部になる事例が多いです。そこで、もっとも理想的な四股名
春日王、朝日山、朝青龍皇司などになるでしょう。朝日山は親方(元・大受)ですが、全員実在の人物です。青というのは中国の陰陽五行論では春にあてられます。その裏を取った四股名としては
冬月奴、月夜川、夜紫亀、臣民ということになるでしょうが、これらの四股名はまず使われることがないでしょう。


今日のひと言:私としては「月夜川」なんて、いいと思うんですが、いかがでしょうか?四股名にもいろいろなヴァリエーションがあってもいい、と考えます。なお、相撲取りの場合、ボクサーみたいに「精密機械」とは評しませんね。高見盛なんか、ちょっとぶっ壊れたオモチャという感じはしますが。


 なお、大相撲の画期的な優勝決定システムについて考案していますので、挙げておきます。 http://d.hatena.ne.jp/iirei/20060202




今日の一言2:官製談合(だんご・う)で挙げられた佐藤栄佐久福島県知事、木村前和歌山県知事、安藤忠恕前宮崎県知事がマンザイ・トリオを組んだ・・・だんご3兄弟。



(次回から再び「民族シリーズ」です。)