家政学的手続数(Domestic Stroke:ドメスティック・ストローク)について
@この概念は、森下の家政学において、極めて重要なものです。都市工学の用語に「パーソン・トリップ」というものがあり、人が何かの用のため交通することを「1パーソン・トリップ」と言い、都市交通計画の基礎データとするのです。
家政学においては、家事労働の程度を示す指標で、私の満足するに足るものがないため、このドメスティック・ストローク(Domestic Stroke)を導入します。考え方の基本は、パーソン・トリップから移植しました。以後、この指標のことを、DSと略称します。家事は、「手」を動かしてするイメージから、ストローク(水泳の「ひと掻き」)という言葉を持ってきました。
@なにをDSとして計数するか(例)
* 一単位の労働をDSとよびます。仕事を家の外部の組織でする場合でも、家庭維持の観点から、1DSと見なします。「風呂に入浴する」労働も1DSです。
* 「会社に通う」という労働は、途中車を運転する、昼食を食べるなどの行為を含みますが、1DSと計数します。
* いろいろな店に寄って買い物をしたとしても、1DSです。
* コンビニのように、多目的に利用できる施設に行くことは、まとめて1DSとできます。
* 電話をする(および受ける)、インターネットをすることなどは1DSとします。
* 介護を受けている認知症患者は「介護を受ける」行為をもって1DSとします。
* 読書をすること、音楽を聴くこと、散歩をすることなどは0DSで、評価しません。
* 日常の生理現象(大便、小便、SEXなど)は何回しても1DSとします。睡眠については0DS。不眠は1DS。
* まだ、完全な概念規定は出来ていません。
以上のような観点から2005.12.20から2006.01.02まで森下礼のDSを取ってみました。
日付 DS 備考
05.12.20 57
05.12.21 52
05.12.22 61 (ブログ三昧)
05.12.23 43
05.12.24 23 (土曜日)
05.12.25 42
05.12.26 40
05.12.27 46
05.12.28 39
05.12.29 53
05.12.30 29 (弟、父 在宅)
05.12.31 28 (土曜日・大晦日・コンピュータ故障)
06.01.01 21 (元旦)
06.01.02 21
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
MAX(最大)61・MIN(最小)21・Range40・平均39.6・SD(標準偏差)12.9
森下家の場合、礼はほぼ家に居り、主夫をしている。弟は契約社員であり、父は週5回、介護施設にいっており、土、日曜は3人とも家にいる。これらのデータから言えること:
① 土曜、日曜は礼と弟が仕事を分け合うので、礼のDSは減る。
② コンピュータや電話をしなければ、DSが相当減る。
③父はどんな場合でも1DSであり、平均的な日に礼が父のためにする行為は9DSと試算されるから、差し引き8DSだけ余分に家事労働を負担していることになる。
④ よって、その分は父からガロア(http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051204)を受け取る根拠となる。
⑤ 憶測だが、理想的なDSは17前後であろう。
⑥ 家族全員のDSをいずれ取ってみようと考える。
今日のひと言:「家」をキーワードにして世の中の事象を見ると、社会科学とか自然科学とかの既存の学問から考えるよりストレートに真理にアクセスできると思うよん。