虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

ノラ猫狩りはすんなよ!!

 *ノラ猫狩りはすんなよ!!

私の家の庭をはさんだ隣家のバアさん(一人住まい)は、生き物が嫌いで、隣家のオバさんが猫を飼おうものなら「柿の木がやられるから猫をそとに出すな!」とかいうことをシレッと抜かす女である。「しかたなく」との面もあるが、オバさんは去勢、避妊して室内で猫を飼っている。これはこの2人の力関係からして仕方ないのだろうが、私はバアさんには反感を覚える。
 さて、06年3月7日あたりのニュースで、ヨーロッパの研究者が鳥インフルエンザウイルスH5N1が、ノラ猫から検出されたとの報告をしたと言っていた。
 こんな時、人間が往々にして取る行為として「ノラ猫狩り」→ 「殺処分」という選択肢がある。だいたいインフルエンザという病気は「増えすぎた人類」の数を調整するという自然の大いなる意志の表現だ。その途中で鳥とか猫、ブタとかを中間宿主にしたとしても、それは彼らの責任ではまったくない。
 そもそも、可愛い猫たちをノラ猫にしたのは誰だ?それは人間、それも自分勝手な飼い主であろう。および猫きらいの隣人。なんとか必死に生き抜いている彼ら猫たちの、自由と生命を奪える人間はいるのか?人間は、「自分だけを可愛がる生き物」なのだぞ。
 あらかじめ、私は警告しておきたい。
 「生き物と付き合うには、自分の命を与える覚悟が必要だ」と有名な獣医師の野村さんが発言していたな。

今日のひと言:トキソプラズマ。これは猫と鳥とブタと人の共通の寄生虫鳥インフルエンザと、何かつながりはないだろうか?