虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

スベリヒユ(食用)とコニシキソウ(毒草):似ているが良く見分けてね。

スベリヒユ(滑莧、馬歯莧、ヒョウ菜、パースレインプルピエ) スベリヒユ科 
(夏から秋)異名が多いのは、それだけ親しまれている証拠です。

 農家にとってはこれほど忌まわしい野草もないでしょう。赤い茎が放射状に伸び、丸みを帯びた葉がついたこの野草は、抜いても抜いても接地面から根を出して枯れないため、農家が始末に困るのです。コンクリートの道路の上において置くしかありません。


 スベリヒユは夏のハコベといった存在で、ハコベとおなじく立派なハーブ名(パースレイン、プルピエ)を持っていますし、東北・山形県ではヒョウ菜というように、食糧と認識されています。



 また、スベリヒユは一種の多肉植物と言えなくもなく、鑑賞用のマツバボタンと近縁です。光合成を巧妙に行なうCAM植物に分類されます。水分が得がたい環境において、二酸化炭素を夜間に植物体のなかに取り込んでおいて、昼それを使って光合成をする植物です。その間、気孔を閉じて水分の蒸散を最小限にするのです。この野草は「茎が赤、葉が青、花が黄、種が黒、根が白」で、「五行草」とも呼ばれます。


(調理法)−(1) 塩ひとつまみで湯がいて、ゴマ和えにする←独特の土臭い風味をマスキングするため。ただし、味付け前、数日水を取り換えつつ晒す場合があります。スベリヒユは含有されるシュウ酸がなかなか抜けず、途中で臭くなったら、あらためて茹でる場合もあります。葉はぐずぐずになってしまうので、茎を食べることになります。(←ヤブガラシと同様)


またカツオ節で和えると、シュウ酸がマスクされます。これは、シュウ酸を含む植物を食べる常套手段です。カツオ節を加えると、シュウ酸とカツオ節のなかのカルシウムが反応して、シュウ酸が取り除けるのでお奨めです。(なお、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、ココアなどにもシュウ酸が含まれ、ミルクと混ぜて飲むとミルクに含まれるカルシウムでシュウ酸が取り除けます。だから、お茶類にミルクを入れて飲むのは理に叶っているのです。)カルシウムを豊富に含む・ゴマ和えもその意味でシュウ酸をマスクできます。


   (↑スベリヒユのゴマ和え)


     −(2)備蓄食:湯がいたあと、天日乾燥して取っておく。


(よく似た毒草:コニシキソウトウダイグサ科)茎が赤く、放射状に伸びるのはスベリヒユと同じですが、茎が細く、葉の中央に斑点があることが多く、ちぎるとトウダイグサ科特有の白い乳液(ラテックス)が出てきます。これらの点で区別できます。)



なお、以下の話は笑えない笑い話です。ある時、ある畑でバーベキューパーティに呼ばれたので加わったところ、一人がコニシキソウを手にして「これは私が野草について研究して、食べられると解ったスベリヒユです」と、私は彼の発言にさっそく異を唱えましたが、彼は涼しい顔。後日、彼は誤りだったと認めましたが。・・・根拠のない思い込みというのは怖いものですね。



今日のひと言:コニシキソウというのがあるのなら、オオニシキソウもあるのかと思って散歩していたところ、(これは3、4年前)田のへりに「大振りででかい「コニシキソウ」」を発見しました。オオニシキソウでした。やはり毒草です。


なお、この記事は拙著『野草を食べる・滋味(JIMI)!!』のスベリヒユの記事をちょっとアレンジして書きました。



季節・生育地でひける野草・雑草の事典530種

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今日の一品


@豚肉のエリンギ巻き



弟作。細切りにしたエリンギを豚肉で巻き、塩・胡椒を振り、オリーブオイルを敷いたフライパンで焼きました。キノコの栄養価は肉と匹敵すると思え、そのため(増量するので)、同じ肉を長く
食べる工夫となります。

 (2018.09.10)



@トッポギ


弟作。韓国の餅風味の食材。スナック感覚の料理。

「直訳するとトッポッキまたはトッポギ(朝鮮語: 떡볶이)は、朝鮮半島の餅「トック(떡)」を使用した韓国料理「餅炒め」の意。朝鮮半島の餅「トック(떡)」を使用した韓国料理である。朝鮮半島の餅「トック(떡)」を使用した韓国料理である。
元来は炒め物の宮廷料理だが、庶民的な煮込み料理にアレンジしたものが広く普及している。」

カッコ内、WIKIより。

 (2018.09.10)



@ネギのヌタ



ネギは料理の名脇役で、主役にはなりにくい食材ですが、茹でて酢味噌で和えるヌタは、立派な主役です。この場合、味噌と「梅サワー漬け」で作りました。この料理は以前にも取り上げています。

(2018.09.11)



@鶏の皮の焼き鳥



弟作。格安で買った「鶏の皮」を串にさして、醤油、砂糖、ミリンに2時間ほど漬け、オーブントースターで180度、13分。これは美味。

 (2018.09.12)



@鮎の塩焼きシソ巻



料理名通りの一品ですが、シソは庭にふんだんに生えているので、食材集めは簡単です。

 (2018.09.13)





今日の詩


@廃屋


いつまで人が住んでいたのか?
この廃屋。
屋根には穴が空き、
庇は崩れ、
何時倒壊しても
不思議ではない。


それにも増して、
家の真ん前の庭に
笹が群をなして
密生している。
これが非常に貫禄のある
笹原だ。


むしろ人ではない
生きものが住んでいるような
気にもなる。
犬か、猫か、
はたまたパンダか?
暮れがた、ぽつねんと建っている。



 (2018.09.13)






今日の四句


ひっそりと
斑入りヤブラン
美を語る



 (2018.09.09)



トウゴマ
怪しい気配
一人立ち



これがトウゴマであるとの自信はないですが・・・(基本的には毒草。薬用にされることもあります。蓖麻子油(ひましゆ)など。)

 (2018.09.09)




曼珠沙華マンジュシャゲ
一株まとめて
出現す



彼岸花ともいいますね。

 (2018.09.09)



蝙蝠(コウモリ)の
飛ぶや素早く
ラブ・ダンス?



暮れかけたころ(逢魔が時)、眼にも止まらぬ早さで飛行する蝙蝠。

 (2018.09.10)