虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

2013-01-01から1年間の記事一覧

ノンアルコールビールと成分調整牛乳

近頃、市場では製品の特質を意図的に除去した飲料がもてはやされています。そこで、それらの製品の代表格であるノンアルコールビールと成分調整牛乳についてまとめてみます。まずはノンアルコールビールから。通常のビールの製造工程ですが お湯に麦芽の一部…

速水御舟の炎舞〜梯子(はしご)の上り下り

ここに挙げる絵は、大正・昭和期を走り抜けた日本画家・速水御舟(はやみ・ぎょしゅう)の代表作・「炎舞:えんぶ」(重要文化財)です。1925(大正14年)。紅蓮の炎に引き付けられ、集る蛾たちの姿を描いた一見具象的な絵です。でも、よく見てみると…

中島敦・メガネの奥には

私の好きな小説家 その2(完)中島敦 (wikiより)→ 中島敦(1909−1942)といえば、二大中篇小説「李陵」・「弟子」とか高校の教科書によく採用される「山月記」などが有名な小説家で、とくに「李陵」と「弟子」は傑作と言っても良いか、と思えます…

中島敦・メガネの奥には

梶井基次郎の妄想〜「愛撫」

私の好きな小説家 その1梶井基次郎(wiki)→ 梶井基次郎(かじい・もとじろう)は、感性豊かな小説家です。結核の療養のためにいた伊豆で、「美しい」と飾っていたリンゴを三好達治が食べたとき、三好をポカッと殴ったという逸話があります。 感受性ゆたか…

梶井基次郎の妄想〜「愛撫」

足裏ケアのいろいろ(魚の目、ひび割れ)

私はこれまで、足の裏のトラブルに色々悩まされてきました。特に20代中盤ころの「魚の目」と、40代半ばを過ぎてからの「かかとのひび割れ」です。どちらも、患部に刺激を与えると、ずきっと痛む辛いものでした。 「魚の目」の場合、後述のHPに出てくるよ…

鳥獣人物戯画絵巻(鳥獣戯画)・・・世界初のマンガ

この絵巻物を知らない日本人はいないでしょう。カエルとウサギが相撲を取り、見事カエルがウサギを投げ飛ばすという絵などは、とくに人口に膾炙していると思います。 ただ、私がこの鳥獣人物戯画絵巻(ちょうじゅうじんぶつぎがえまき:国宝)を知ったのは、…

早熟と非早熟(絵画・文学・音楽)

サン=サーンス(wiki)→ 私が小学生のころ、絵に関して早熟な男子生徒がいました。とても小学校低学年とは思えないほどの上手さで、コンクールで賞を受けたりしていました。写実的であって写実的ではない、ユニークな絵を描いていたのです。私も絵は得意で…

早熟と非早熟(絵画・文学・音楽)

マンガ原作者・梶原一騎の功罪

梶原一騎シリーズ その2(完) 梶原一騎(かじわら・いっき)といえば、いわゆるスポ根マンガ・・・スポーツ根性マンガの原作者としてよく知られています。数え上げれば、「巨人の星」(野球)、「あしたのジョー」(ボクシング)、「柔道一直線」(柔道)、「ア…

力石徹の葬儀(あしたのジョー)

梶原一騎シリーズ その1(全2話) 梶原一騎が生み出した諸作品のなかで、スポコン物で「巨人の星」と並んで最高峰の位置にあるのが「あしたのジョー」です。リアルタイムで読んでいた際は「巨人の星」のほうが面白かったですが、よくよく作品を噛みしめて…

がれき処理・除染はこれでよいのか(書評)

現在明治学院大学の教授である熊本一規(くまもと・かずき)氏は東大都市工学科第8回生で、19回生である私の先輩に当たります。私が宇井純氏の主宰する自主講座に出入りしていたころ、熊本氏と出会い、彼が「環境権などどいう法規に定められていない概念…

眼のある風景〜〜靉光(あいみつ)の反骨的絵画

最初に挙げたのは、第二次世界大戦にて上海郊外で病没した靉光(あいみつ、ないし、あいこう)の代表作「眼のある風景」(1938年)です。この難しい雅号は、靉タイ=雲がたなびくさまをイメージして自ら命名したそうです。(「タイ」という字は「雲」「…

姑はつらいよ  お嫁さん、今にわかるわこの気持(書評)

ここで取り上げる本は、家政学の大家・西川勢津子さんが、全国の姑さんから寄せられた、嫁さんに対する恨み・つらみの相談に乗るという形で編著されたものです。1987年初版発行・PHP研究所。 古今東西、嫁と姑の仲が悪いのは通り相場で、ここに寄せられ…

戦争の分類

「軍事は政治の延長である」、と言ったのは、ドイツの軍事哲学者・クラウゼヴィッツですが、過去世界で行われた戦争、また行われるであろう戦争も、様々な政治の延長として行われてきたし、また行われるでしょう。 このブログでは、拙いけれど大まかに、戦争…

クラシック音楽意外史(書評)

この本は、誰でも抱いているクラシック音楽の有り様について、現在の目で見ることの誤りを正すように書かれたものです。著者の石井宏さんは1930年生まれで東京大学美学科および仏文科を卒業し、音楽評論で鳴らした人のようです。アマチュア・オーケスト…

「ほんわか」と「ひんやり」〜O・ヘンリーとサキ

O・ヘンリー(本名William Sydney Porter:1862−1910)はアメリカの小説家、サキ(本名Hector Hugh Munro:1870−1916)はイギリスの小説家です。この二人は活動時期もほぼ同じで、欧米では極めて有名な小説家であり、「泊り客の枕もとに、O…

最強の雑草はなにか?

今回のブログでは、「野草」というイメージの良い用語ではなく、「雑草」という悪いイメージの言葉を使います。農作業、庭の管理上、厄介な植物という意味で、です。 例えば、「スベリヒユ」(スベリヒユ科)は、引き抜いても、地面に接するところから根を伸…

写真家・星野道夫の遭難

私は以前過去ログで http://d.hatena.ne.jp/iirei/20071017 (ライフルをカメラに持ち替えて・・・写真とは)というエントリーを書いたことがありますが、そのなかでところで、写真の一枚一枚はshot(ショット)と言いますね。これはいみじくも狙撃の一撃(s…

4.29の朝日俳壇・歌壇

私は詩人(含む俳人)を自称していますが、最近では会心作が作れていません。想像力の欠如があるとは思っているのですが、それをいかんともし難い。ちょっと勉強の意味で上記文献をひも解いてみました。ちなみに、私が理想とするのは以下の詩です。 参考過去…

ハイジ〜アルムおんじの魂の遍歴

2013年1月23日、郵便局が以前からやっている「アニメ・ヒーロー・ヒロイン切手」第19集「アルプスの少女ハイジ」10枚組セットが発売されました。もともと切手マニアだった私は絵柄も良いことだし、1シート買ってみました。そこで思い出したので…

都市は田舎を収奪する〜東京都庁舎を見よ

東京都庁舎(wiki)→ 都市というのは、吸血鬼のような生理を持っていると思います。吸血されるのは、田舎(いなか)。田舎にある宝物を貪欲に取り上げ、浪費する都市。これはいろいろな物、サービス、さらには人間についても成り立ちます。 私の中学・高校時代…

都市は田舎を収奪する〜東京都庁舎を見よ

齋藤孝の限界・「人はなぜ存在するのか」(書評)

「人生相談」シリーズ その2 私は以前、明治大学文学部教授・齋藤孝(さいとう・たかし)さんの「天才論」に、真っ向から異を唱えたことがありますが、http://d.hatena.ne.jp/iirei/20061028#1292166368 :齋藤孝の「天才論」に欠けているもの この本「人は…

生きる悪知恵〜〜西原理恵子(書評)

「人生相談」シリーズ その1 私が西原理恵子(さいばら・りえこ)さんを知ったのは、数年前のNHK朝ドラ「ファイト」の終わりに掲載されていたイラストを見て、「面白い」と思ったときからです。 また、今回取り上げる本は、この前エントリーした「ネガポ辞…

梅原猛の羅漢論

十六羅漢(らかん)という永遠の仏道修行者たちの一人、戎博迦尊者(じゅばかそんじゃ)を取り上げます。どんな人かと言えば、第九番目は、戎博迦尊者というのだ。ジュバカ尊者はいつも横向きにすわっている。そしていつも己れの半面しか見せないのである。…

新刊女性雑誌「DRESS」の分析

センセーショナルな出版をして飛ぶ鳥を落とす勢いの幻冬舎(げんとうしゃ)。あたらしく総合女性雑誌を刊行したというので、500円出して相当分厚い雑誌「DRESS」を入手しました。今回はこの雑誌について見ていきます。その手法は、私が以前導入したR値。…

受験英語のバイブル・英単語記憶術と英文解釈教室

いずれも私が、ん数十年前楽しみながら学習した本ですが、7,8年前私が高校生の家庭教師をしていた時も、この2冊は入手可能でした。それだけの定評があったということですね。 「英単語記憶術」(光文社:カッパ・ブックス)は故・岩田一男さん作。煩瑣な…

「ゆるキャラブーム」の後に来るもの

ひこにゃん(wiki) → 彦根市のマスコット・キャラクターである「ひこにゃん」を嚆矢として、全国あらゆる自治体がマスコット・キャラを作っています。Wikiを参照すると 江戸時代に同地にあった彦根藩の2代目藩主・井伊直孝に縁(ゆかり)ある1匹の白猫をモ…